こんぶ土居店主のブログ

こんぶ土居店主によるブログです。お役に立てれば。

昆布のイラスト、間違いだらけ

今回の投稿は、特に大事な内容というわけでもありません。 それでも、昆布に関わる者として、「よくもまぁ、これだけ尽く間違えてくれるなぁ」と思うので、お知らせします。 タイトルに書きました通り、昆布のイラストについてです。 まず、Googleで「昆布 …

「書くべきことがある」、それこそが肝心。ネットショップについて。

利用店舗数が50000を超える、日本最大級のネットショップ作成サービス『カラーミー』。 こんぶ土居オンラインストアも、こちらを利用して運用しています。 カラーミーさんでは、『カラーミーショップ大賞』と題し、最も優れたショップを表彰するコンテストを…

木づかい運動

昨年開設しました、大阪の伝統昆布文化を伝える小さな小さな資料館「大阪昆布ミュージアム」。 内装には、国産の無垢板の木を、ふんだんに使用しています。 構造の強度の問題で骨組みについては木造では無いですし、外壁も消防法の関係で耐火建築物にする必…

『健康と食文化を守る意志のありやなしや』 by 八巻元子氏

私共は、創業以来120年、大阪の地で昆布屋を続けてきました。 「昆布屋」ですので、私は大阪伝統の昆布文化を守り育てるべき役割に居るわけです。 しかし、残念ながら昆布文化は衰退の一途です。 その衰退の一因だと言えると思いますが、「うまみ」の観点か…

芝井穣さんのこと

4月23日は、統一地方選挙の投票日です。 真昆布の産地の道南地方の多くは、今は函館市の一部ですが、函館でも市議会議員選挙が同日に行われます。 過去から何度も投稿しております通り、天然真昆布は危機的な状況にありますので、政治の面からも対策が求めら…

昆布を平たく伸ばすことの意味

専門店へ行ってもスーパーへ行っても、様々な品種の昆布が並べられています。 外見から昆布の良し悪しを見分けることは、一般の方には非常に難しいものですが、形状の違いについて疑問を感じる方があるかも知れません。 大まかに言えば2種類でしょうか。 そ…

マエムキ大豆が未来を救う?

過去投稿で、ある納豆工房のことを書いています。 konbudoi4th.hatenablog.com 先日、この「らくだ坂納豆工房」さんが、ある方から依頼を受けて、納豆をつくられました。 その依頼とは、「自家栽培の大豆で納豆を仕込んで欲しい」というものです。 そんな依…

「うま味」と「旨み」の使い分けなど、可能か?

私も最近になって知ったのですが、「うま味」と「旨み」は、同音異義語だと言う説があります。 そうであるなら、正しく使い分けをする必要がありますね。 しかし多くの方は、意味の違いを説明できないのではないでしょうか。 「うまみ」に関することですから…

『雲鶴』島村雅晴さんの昆布への向き合い方(個人的に泣けるレベル)

本日は、タダモノではない料理人さんをご紹介します。 と言っても、実はこのブログで書くのは二回目なのですが、日本料理店「雲鶴」の島村雅晴さんです。 お店のウェブサイトはコチラ↓。 ミシュランガイドでもずっと星を獲得している、素晴らしいお店です。 …

「うまみで減塩」、は嘘なのでは?

【前置き】 今回の投稿は、世間に流れる「うまみが減塩につながる」という説が嘘だと主張するものです。 その根拠を、事例を挙げてクドクドと説明するだけの内容です。 面白い話も新たな発見も乏しい、言ってみればツマラナイ内容です。 ただ、「うまみは減…

昆布関係者は「UMAMI」を賛美せず、むしろ敵視せよ!

昆布や出しの文化が賛美されることがあります。 とても嬉しいことなのですが、実はその中で、嬉しいような悲しいような気持になる言葉があるのです。 時に、私に嘆かわしい気持ちを抱かせる言葉、それは「うまみ」です。 こんぶ土居では、この言葉をできるだ…

『大阪万博で昆布のことを!』(挫折その1)

御存知の通り、2025年には、大阪で万博が開催されます。このブログで、『「2025大阪・関西万博」で、昆布のことを』とのタイトルで投稿したのは、2021年の1月のことでした。パビリオン内で展示するテーマについて公募していたので、応募したことについて書き…

グラスフェッドビーフと、アイゴの養殖「いただきますを考える会」

冒頭から問題発言で恐縮ですが、私は高級和牛が嫌いです。 「松阪牛」とか「神戸ビーフ」とか、A5ランクがどうとか、全て好きではありません。 特に、キレイにサシの入った「霜降り肉」は、値段も高いのだと思いますが、食べたくないです。 お好きな方には申…

昆布の飴色は「おいしさの色」と言って良いのでは?

「昆布の色」と言われれば、どんな色合いをイメージされるでしょうか。 多くの方は、緑がかった黒っぽい色を頭に浮かべるのではないかと思います。 それは、特に間違いではないのですが、良い昆布の本来の色合いは「あめ色」です。 平たく言えば、茶色っぽい…

SNS発信から出た記事

前回のブログ、タイトルは「嘆かわしい報道」でした。 konbudoi4th.hatenablog.com ある新聞記事について、天然真昆布は常態化した不作で大問題を抱えているのに、それが読み取れない「残念な記事」としてご紹介しています。そんな内容をSNSでも投げたのです…

嘆かわしい報道

画像は、本日7月16日付の北海道新聞の記事です。 何か誤ったことが書かれているわけではありませんが、本当に残念な記事です。 タイトルからして、「天然マコンブ大きい」、ですので。 こんな記事、豊漁をイメージさせませんでしょうか。 取り上げられている…

もはや二年養殖でも貴重品

あまり暗いことばかり書きたくないので、今回のブログは短くします。 引き続き海の環境は良くありませんで、真昆布の生産は大問題を抱えています。 7月は昆布漁のシーズンですので、生産量予想が出て参りました。 天然物の真昆布が採れないのは、ここ数年同…

のり佃煮、原材料表示のナゾを解説

私共は昆布屋ですが、海苔の製品も販売しています。 「無酸処理焼海苔」がそれに当たりますが、「酸処理」は環境問題が関係します。 もしご興味あれば、過去投稿をご参照下さい。 konbudoi4th.hatenablog.com 海苔の佃煮も製造しているのですが、そちらも同…

宮井一郎さんの料理に見る「食の正しさ」

先日、ある方からお誘いいただき、大阪の島本町にあるイタリア料理屋さんへ行きました。 ジビエ(狩猟によって捕獲された野生の鳥獣の肉)を専門に扱うお店です。 ご主人の宮井一郎さん(以下、一郎さん)は、料理人であり同時にハンターで、お店の近くの山…

真昆布偏愛

昆布は、産地がどこであっても品種が何でも、大切な海からの恵みですから、全てが素晴らしい食品だと思います。 ただ、他の農作物と同じように、「名産地」や「昔から特に珍重されてきた品種」があります。 本日の投稿は、そんな内容です。 前半は、史実を含…

栄養強調表示についての問題提起(問題事例も紹介)

前回の投稿で、「無添加」という言葉が食品パッケージなどに書かれる際、特に取り決めがないので問題が発生していることを書きました。 konbudoi4th.hatenablog.com これは、栄養成分に関しても同じです。 消費者へ誤った伝わり方にならないよう、制度に決め…

「無添加」の問題点

意外に思われるかも知れませんが、こんぶ土居は自社の製品づくりに「こだわり」という言葉を一切使いません。 商品パッケージや印刷物、公式サイトやオンラインストア含め、この言葉は全く見当たらないはずです。 本来「こだわり」とは、誰かが何かに執着し…

イシイのミートボール

昆布屋が書くブログに、不思議なタイトルですが、本日はミートボールについて書きます。 ある年齢層以上には、往年のCMソング「♪イシイのおべんとくん、ミートボール!♪」でお馴染み、石井食品のミートボール。 過去から、中身が少しずつ変化してきているこ…

だしの「定義」がずれていく

家庭でだしを取る人の割合がどんどん少なくなる今、代わりに多く使われるようになったのが「だしパック」と呼ばれる製品です。 「だしパック」は顆粒だしと違い、自分でだしを取っている気になるのでしょう。 しかし、昔ながらのだしパックと違うタイプの製…

『60℃で1時間』なんて、気にするな - 昆布だしの取り方 -

2002年の事であったようですが、大学の研究者と、日本料理アカデミーという料理人さんの集まりが、昆布だしの理想の引き方について研究されました。 その研究の結果、昆布を60℃の湯の中で一時間煮出した場合、溶出したグルタミン酸量が最大になるというデー…

昆布が海の中でダシが出ないのなんでだろう〜

タイトルのような漫才のネタがありましたが、これは昆布に関する疑問の定番でしょう。 川田一輝さんと仰るラジオのDJさんが、かわいらしいイラストつきで説明されたものがあり、非常に分かりやすいです。 海の中でコンブから出汁がでないのはなぜ? | 知っ…

昆布と酢

昆布は、強い主張のない食品なので、他の食材と喧嘩することは少ないですが、調味料の中で特に良い相性を見せるのが酢です。 酢こんぶは昆布加工品の定番ですし、何よりとろろ昆布類は昆布をお酢に浸して柔らかくして削るものです。 また、昆布でだしをとる…

Real Basic Food(新木工房とヴィナイオータだだ食堂)

自然環境も社会の状況も、どうやら持続可能でないものが多く見えてきましたから、新しい時代の在り方について、よく考えるようになりました。 本ブログでは、ちょうど一年ぐらい前に、こんな投稿をしています。 konbudoi4th.hatenablog.com タイトルは、「美…

史上初?かつおぶし削り器「オカカ」電動化の方法(メーカー非推奨)

(前回投稿の続きです。まずは、こちら↓からご一読ください) konbudoi4th.hatenablog.com 自分で申し上げるのも何ですが、本日の投稿内容は、鰹節を楽に削ることについての「コロンブスの卵」で、なかなか画期的ではないかと自負しています。 (道具の改造…

ゼロウェイストと鰹節

環境問題が深刻化する中で、新たな取り組みをされる方々が増えているようです。 私共は昆布屋ですので、海に関わる仕事で、海洋マイクロプラスチックの話も最近よく耳にするようになりましたから関心事のひとつです。 一方、自社の製品を考えてみますと、た…