こんぶ土居店主のブログ

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本格十倍出しのかつおぶし

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これは、こんぶ土居製品「本格十倍出し」の原料として使用している鰹節です。
本枯節の生産量では日本一を誇る鹿児島県指宿市山川の鰹節生産者にお願いし、こんぶ土居別注品として作っていただいているものです。
かつお節の品質を分ける要素は様々ですが、大まかには次のようになるでしょうか。

①原料魚の漁獲地
②原料魚の漁獲方法
③「枯節」か「荒節」か

①は、日本近海での漁獲か、海外での操業かの違いです。やはり概して日本近海産の評価が高く、高値で取引されることが多いようです。
②は「一本釣り漁」か「巻き網漁」かです。魚体が傷みやすい巻き網に比べ、一本釣りは味覚の面でも漁業資源の保護の観点からも良いと思います。
③ 鰹節の製造法は大まかに、原料魚の身を切り分け(生切)、水で茹で(煮熟)、煙で燻して水分を抜く(焙乾)、以上の工程です。ここまでの鰹節は「荒節」と呼ばれます。その後、「かびつけ」と呼ばれる工程を経たものが「枯節」です。かびの力を利用し、更に水分を抜き、香りもよくなるので、「枯節」は高級品だと言えます。

「本格十倍出し」に使用する鰹節は近海物一本釣の枯節100%ですので、非常に高品質なものです。
枯節の表面はカビで覆われているのですが、カビそのものが美味しいわけではなく、カビが鰹節全体を美味しくする効果を発揮します。
そのため、ご家庭で枯節を自分で削る場合には、カビを洗い流してください。流水にあてタワシなどでゴシゴシ洗っていただいて問題ありません。
その後、水分をふき取り軽く陰干しにしていただければすぐに使えます。
「本格十倍出し」製造用には、鹿児島の生産者の方にカビを削り落とした状態で納入していただいています。

「本格十倍出し」には、こんな素性の鰹節を使う直前に削って釜に入れています。
製造場は、本当に素晴らしい香りに包まれます。

鰹節そのものの品質ももちろん大切ですが、削りたての良さは特筆すべきものがあります。
いくら良い節でも削って時間がたって酸化したものでは意味がありません。
良い節を手に入れ、ご自分で削り、本当の鰹節の美味しさを是非体感してみて下さい。

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