だしパックの製品が人気のようです。
ここ数年、本当にたくさんのメーカーが作るようになりました。
ご存じのように「だしパック」とは、昆布や鰹節、煮干しや干椎茸等のだし素材を紙や不織布に詰めたものですね。
計量や濾す手間がないので便利です。
昔は、このような本来のだしパックが多かったのですが、最近、少し変わったものが作られるようになっています。
例として、日本最大のかつお削り節メーカー「Y社」の製品を二つ取り上げます。
白いパッケージの方は「鰹節屋のだしパック」
もうひとつは「鰹節屋の割烹だしパック」という製品です。
「割烹」というネーミングから、何となく後者の方が高級なイメージですね。
パッケージも金色に輝いています。
さて、それぞれの原材料を見てみましょう
前者の原材料は「かつおぶし、そうだかつおぶし、こんぶ」のみです。
つまりこれは、昔ながらの本物のだしパックだと思います。
対して、後者の金色の「割烹だしパック」の原材料表示は、以下の通りです。
「調味顆粒(食塩、粉末醤油、砂糖、かつおぶし、そうだかつおぶし、たん白加水分解物、ばれいしょでん粉)(小麦・大豆を含む)、かつおぶし、そうだかつおぶし、こんぶ粉末、焼きあご / 調味料(アミノ酸等)、甘味料(ステビア)」
うまみ調味料として「たん白加水分解物」や「調味料(アミノ酸等)」(←化学調味料のことです)、その他に色々な成分が含まれています。
つまりこれは、昔ながらのだしパックと、「顆粒だしのもと」のハイブリッドのような製品だと言えるかと思います。
実は最近、こんな製品が非常に多くなっています。
非常に人気でよく売れている九州のK社の製品も、この形です。
昔ながらのだしパックと見分けることは簡単です。
原材料表示欄に自然の素材だけが書かれているか、それともうまみ調味料やエキス類が表記されているかをチェックして下さい。
(エキスとだしの違いについては、2020年6月3日投稿の「エキスとだしの違い」をご覧ください。)
https://konbudoi4th.hatenablog.com/entry/2020/06/03/085729
実は、後者タイプには、だしの素材が少ししか使われていません。
それは、だしを取った後の袋を切り開き、中身を見れば分かります。
右は「鰹節屋のだしパック」ですが、昆布や鰹節の砕いたものがたくさん入っています。
左が金色の「鰹節屋の割烹だしパック」ですが、袋を開いて出てきたのは、なにやらよくわからないネチョネチョした物体でした。しかも、量がかなり少ない。
昆布にせよ鰹節にせよ、それ自体は水には溶けません。
だし成分が溶け出るだけです。
つまり、パックの中にだしがらが多く残っていないということは、自然のだし素材の使用量が少ないということを示しています。
何を使うもそれぞれの方次第ですが、是非違いを把握してお選びになることをお勧めしたいと思います。
やはり原材料表示をしっかり読むことは、とても大切ですね。
こんぶ土居でもだしパック製品をご用意しています。
一般製品との違いなど、次回の投稿で書く予定です。
(余談)
「だしパック」という言葉は一般的です。
私共の製品でも、そのように表現します。
ただ、紅茶のティーバッグは「tea bag」であり「tea pack」ではありません。
ですので、本当は「だしバッグ」が正しいと思います。