数年前から糖質制限食が流行っていますが、ストイックなものは是非やめた方が良いと思います。
知人のご家族にも一切炭水化物を採らない人がいて、心配になります。
まず、炭水化物を取らない食生活は、どう考えても不自然です。
炭水化物をほとんど摂取せずに生きる民族も、いることはいます。
代表的なのは北極圏に住む方々でしょうか。
北極圏では気温が低すぎて農耕も採取生活もできませんので、アザラシの肉などが主食であったりするようです。
そんな環境でも生きることは可能ですが、平均寿命は短いようですし、決して健康的だとは言えないと思います。
そもそも人類は、熱帯向きの生き物です。
多くの哺乳類が備えている毛皮が無く丸裸の人類が、寒冷地に適した種であるわけがありません。
また、生きる上で水は何より大切なわけですから、降水量の多い場所が良いでしょう。
こう考えると、熱帯雨林気候的な場所が、人間に最も適しているように思います。
そんな気候条件の国も多く、本質的にとても豊かです。
仮に経済的には貧しくとも、決して飢えることはない本質的な豊かさです。
例えば、米を植えれば三期作ができたり、森に入れば木の実や果実がたくさんあったり。
多くの方がイメージする南国のパラダイスです。
生きる糧の得やすさは、北極圏の方々とは比較になりません。
そんな、人類に最も適した場所で自然から得られる食物は、炭水化物が豊富なのは、ご説明するまでも無いでしょう。
こう考えると、本来人間は、炭水化物を基礎的な栄養とする生き物なのだと思います。
現代生活において、その摂取量が多すぎるのであれば、適切な量まで減らすことは必要でしょう。
ただ、「ケトジェニックダイエット」と呼ばれる、糖質の摂取をやめ脂肪をエネルギー源とする方法が、不自然なのは間違いありません。
数年前に盛んにテレビコマーシャル等をしていた、フィットネスの「ライザップ」なども、この方法でした。
糖質制限をするのであれば、甘いものは基本的に食べられません。
ただ、炭水化物もカット、甘いものもカット、そんな状況では甘党の方でなくても甘いものへの欲求が強くなるように思います。
そんな場面で利用されがちなのが人工甘味料です。
砂糖以上の甘さを発揮しますが、カロリーはゼロで糖質を取ったことにはなりません。
このメリットを活かして、糖質制限をする多くの方が人工甘味料をお使いになるのではないかと想像します。
例えば、コカコーラを飲まずコカコーラゼロを飲む、等。
しかし、これは非常に危険だと思います。
人工甘味料の問題点は様々に指摘されますが、今日は個別の危険性については書きません。
もう少し包括的な話です。
簡単に言えば、「中毒」、「依存症」の危険性です。
前回の投稿で、味覚は必要な栄養素を摂取するための動機付けだということを書きました。
https://konbudoi4th.hatenablog.com/entry/2020/07/01/192622
つまり、甘いものを欲するということは、体が甘いものを必要としているということです。
例えば、脳の栄養源は基本的にはブドウ糖です。
それが不足すれば、甘いものが欲しくなって当然ですね。
甘いものが食べたくなって、その欲求を人工甘味料で満たす。
このとき体に起きていることを想像してみてください。
糖類が必要だから甘いものを欲する欲求が現れ、そこに人工甘味料が入って来ると、ある意味、体はパニックになると思います。
口の中に甘いものが入っているにもかかわらず糖類が体に入ってきていないのです。
脳と体の立場になって考えれば、意味のわからない現象が起きています。
本来の目的である「糖類の摂取」が、成し遂げられていないからです。
こうなれば、欲求が満たされたことになりませんので、更に甘いものを要求することになるでしょう。
ただ、そこでいくら人工甘味料を追加で摂取しても何も解決しない訳ですから、その欲求は更にエスカレートしていくはずです。
まさにこれは依存症であり、甘いものをどんどん欲することになります。
少々の人工甘味料では満足できなくなり、摂取量が増えるでしょう。
これは、人間のセンサーに狂いが生じていることになるかと思います。
人工甘味料を製造しているメーカーにしてみれば、これは理想的なことなのかも知れませんが。
普通の食事をしている人が少しの人工甘味料を使うならまだしも、糖質制限食の方が人工甘味料を多用するのは、是非やめるべきだと思います。
アルコールや薬物に似た依存症、中毒です。
人口甘味料メーカーの製造する商品のパッケージには、料理の絵などが描かれていたりします。
調理に、みりんや砂糖の代わりに使えということでしょうか。
ひどい話です。
そもそも人工甘味料はおいしくないですし、特別な理由がある方以外は、使わない方がいいと思います。