こんぶ土居店主のブログ

こんぶ土居店主によるブログです。お役に立てれば。

石けんを売る昆布屋

 

例えばスーパーへ行くと、洗剤の類がたくさん売られています。

人間の体に使うものなら、シャンプー、リンス、ボディソープ、ハンドソープ、洗顔料、歯磨き粉など。

洗剤ではありませんが、化粧品や保湿クリームなども使われますね。

台所では、食器洗い洗剤、漂白剤など。

衣類には洗濯用洗剤や柔軟剤、その他さまざまな洗剤が販売されています。

 

それらは、最終的に全て家庭の排水口から流れ出していくものです。

スーパーでかなりの面積を占めるこのような製品、その製品が全部排水口へ行くのですから、私たちの日々の暮らしからは本当に多くの化学物質が垂れ流されていることが分かります。

 

流れ出たものは、基本的に下水処理場で浄化されるのだと思いますが、そのような化学物質の排出は、やはり少ないに越したことはないように思います。

また、田舎では今でも下水処理施設が十分でないところが多く、そのような場所では更に心配です。

 

 

近年では処理技術が進み、下水処理施設から出る水は、かなりきれいになってきているようです。

ここ大阪でも、川や海の透明度は以前に比べると高くなっているそうです。

しかし、これには裏の側面があり、海が貧栄養になってきているという話をよく聞きます。

『水清ければ魚棲まず』という言葉がありますが、クリアな貧栄養の海は、豊かな水産資源を生み出す場ではありません。

 

特に最近、海苔の養殖に問題が出ていることをよく聞きます。

海苔の養殖は、意外に多くの人口を抱える都市圏の海で盛んです。

私共の製品の「無酸処理焼海苔」の産地は伊勢湾ですが、伊勢湾に流れ込む木曽三川も愛知県の人口が多い地域の近郊を流れてきます。

そもそも海苔の養殖は、最初は東京湾で始まったと聞きます。

 

こう考えると、人の営みによって出てくる排水は、海の栄養になっている部分もあったのでしょう。

ただ、前述のように、今はたくさんの化学物質が排水に含まれますし、それを高度に浄化しないと自然に戻すことはできないのでしょう。

これはひとつのジレンマです。

 

北海道の昆布の海でも似たようなことが起きていて、廃棄物の不法投棄を取り締まる制度が、結果的に海の貧栄養を招いている側面もあるようです。

 

一般に家庭排水は多くの汚染物質を含んでいますが、その水質は、何を使うかで大きく変わってくるような気がします。

私の家では、自分の体を洗うのにはせっけん、食器洗いにも液体せっけん、衣類にも衣類用せっけんと、合成洗剤は基本的に使っていません。

このような状況であれば、家庭から排出される下水に、よくわからない化学物質が含まれていることは、あまり無いように思います。

だからと言って、排水口から出た水は他の家庭のものと同じ経路を辿って処理場に運ばれ高度な浄化がされるわけですから、海の栄養のプラスに働いているということはありませんが、やはり望ましい姿は海に流しても問題の無いような排水が各家庭から出てくることでしょう。

 

そんな考えもあって、こんぶ土居では石鹸を販売しています。

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私自身も愛用しています。

これは、大阪の桶谷石鹸という会社が製造しているものですが、油脂と苛性ソーダという石鹸づくりに不可欠なもの以外何も使っていません。

手を洗うのも、髪を洗うのも、体を洗うのも、すべてこれです。

食器洗いには、液体になったせっけんを使います。

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衣類のせんたくにも洗濯せっけんを使いますが、これらどれ一つとっても、何ら不都合を感じません。

決して我慢しながら使っているのではありません。

シャンプーを石鹸に変えると、髪の毛がギシギシになると思われがちですが、桶谷石鹸は、意外にそうなりません。

全くならないわけではなくとも、最初は違和感を感じたとしても、徐々に体がそれに適応して全く支障のない状態になっていきます。

 

海の環境がどんどん悪くなり、昔からの豊かな恵みが得られなくなっている昨今、少しでも海の水質に関心を持って下さる方が多くなることを願っています。

 

前述の桶谷せっけんは生分解性も高く、排水後の石鹸成分は約24時間で自然分解されるそうです。

良いせっけんは高価なものも多いですが、価格も手ごろです。

こんぶ土居店頭でも販売しておりますし、桶谷せっけんにはネットショップもあります。

www.oketanisoap.co.jp

もしよろしければ、ご自宅の排水の汚染物質フリー化にトライしてみてはいかがでしょう。