こんぶ土居店主のブログ

こんぶ土居店主によるブログです。お役に立てれば。

燃えるワインインポーター『ヴィナイオータ』

今日は、ワインのお話です。

 

ワインの世界に「ナチュラルワイン」と呼ばれるタイプのものがあります。

ビオワイン」「自然派ワイン」「ヴァンナチュール」など様々に呼ばれますが、どれも似た意味合いのようです。

 

特徴としては

①農薬を使用しない

②培養酵母を添加しない

酸化防止剤を添加しない

といったところが主でしょうか。

 

逆に言えば、一般的なワインは上記①~③でないということです。

 

①については、やはり農薬は使用しないでぶどう栽培ができるのであれば、それがベストだと思います。

農薬の使用は、害虫や雑草の駆除に役立つと同時に、ぶどう自体にもダメージを与えることがあります。

また、②の培養酵母の添加の有無にも関係してきます。(後述)

 

 ②は、酵母がぶどう果汁をアルコール発酵させるので、培養された酵母を添加する場合が多いようです。

しかし、古い時代には培養酵母が販売されていたわけではないので、ワインは本来、酵母を添加せずとも醸造することが可能です。

発酵に必要な酵母は、ぶどうにもともと付着しているのです。

またワイナリーに棲みつく菌も関係しているかも知れません。

これに①の農薬の有無も大きく関係してくるのは、農薬によって良い酵母がなくなる場合があるからです。

そうなれば、良い発酵ができませんので、人為的に酵母を足さざるを得ません。

菌にも風土が関係しています。

その土地ならではの自然の酵母が働く、その土地ならではのワインができるのなら、魅力的ですね。

 

③はワインの酸化を防止する薬品のことです。

酸化を防ぐので良い状態で保つことはできるのですが、やはり亜硫酸という薬品ですので、使用しない選択にも価値はあると思います。

農薬の使用や、機械での収穫、腐敗したぶどうや未熟な果実の選別除去が不十分であると、ワインの酸化が進みやすくなるようです。

このため、本当に良い醸造方法を採れば、酸化防止剤は使用しない、また使用するとしても少なくて済む傾向にあるようです。

添加せずとも醸造過程で自然発生する亜硫酸もあります。

そうであっても、添加によってその濃度が高められることは、好ましいことでは無いように思います。

 

ざっとこんなところでしょうか。

①~③の要素のうち、③の酸化防止剤については、ワインのボトルに使用の有無が表記されている場合もあります。

ただ①の農薬の情報などは通常分かりませんし、②の培養酵母についてもボトルのどこを見ても情報は出てきません。

それどころか、「補糖」「補酸」という目的で、醸造中に砂糖や酸味料などを添加するワインも多いものですが、それらも表示されることはありません。

つまり、ワインには私たちの知らない要素が含まれていることがあるのです。

 

①~③、どれも言うのは簡単ですが、ナチュラルワインを良い状態で作るのは、やはり技術も求められますし大変なことであるようです。

安定した品質で醸すことが難しく、醸造家は苦労します。

 

タイトルにしました「ヴィナイオータ」とは、茨城県つくば市にあるイタリアのナチュラルワインのインポーターです。

先日、訪問してきました。

ヴィナイオータの太田社長は、もう数十年に亘りイタリアのナチュラルワインを取り扱っておられます。

 

ワインは、ある種、権威の世界です。

醸造家から評論家、ソムリエ、末端のユーザーまで含め、ひとつの体系を構成しています。

ワインの味わいについても、その権威の世界が良いとするものを基準に動いてきたようです。

そこから逸脱するものは、なかなか認められません。

 

今でこそ、ナチュラルワインの世界は認知が拡大し、それを評価する人も増えてきていますが、黎明期に於いてはヴィナイオータさんのお取組みは、理解されないことも多く大変な苦労をなさったのではないかと推察します。

ご本人は、そんなことはおっしゃいませんが、異端児扱いされ様々な抵抗も受けたことでしょう(ご本人は、異端どころかご自身の取り組みこそが本道だと考えておられます。土居同意)。

 

そのような向かい風の中を、自らの信念によってひたすら前進し続けて現在の形にまで持ってこられたのだと思うので、その歴史を考えると感服するばかりです。

 

 

ヴィナイオータさんでは今年から「だだ商店」というワイン以外の物販スペースも設けられました。

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そちらで、私共の製品の販売を希望して下さって、現在お取引いただいています。

訪問時にも、こんぶ土居製品をたくさん販売して下さっていました。

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ヴィナイオータさんに私共の製品を評価していただいていることを非常に嬉しく思いますし、そのご期待に沿うものづくりを今後も続けていかなければならないと強く思います。

 

訪問時に太田社長のお話を伺っていると、そこに明確な哲学があり、理由があります。

私共も昆布屋として同じスタンスが必要です。

製品づくり以外の部分についても、「なぜそうしないといけないのか」という理由を明確にイメージして取り組む必要性を改めて感じます。

 

ワインだけでなく、お酒以外のイタリア食品も驚くべきクオリティのものを輸入販売されています。

私はつくばのお店へ車で参りましたが、最寄り駅は東京からも電車で45分ほど、そこからタクシーに乗っても1000円ぐらいの距離だそうです。

訪れてみてはいかがでしょう。

下記ヴィナイオータのサイトも、是非ご覧ください。

 

vinaiota.com

 

(※ワインの基礎知識については、こんぶ土居からすぐ近くのワインバー「Vin Voyage」の森田幸浩さんに教えて頂いています。森田さん、ありがとうございました。)