以前の投稿で、こんぶ土居製品「ミネラルいりこん」開発の経緯を書きました。
2020-06-23投稿「ミネラルいりこんの役割」
https://konbudoi4th.hatenablog.com/entry/2020/06/23/091125
商品コンセプトは単純。
カルシウムやマグネシウムなどのミネラル不足の傾向にある日本人のための、海産物から「おいしく栄養補給できる健康スナック」です。
実際に日本人は、ミネラルが不足しているのです。
それは、厚生労働省の資料を二つ参照すれば分かります。
〇「日本人の食事摂取基準(2020 年版)」
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586553.pdf
〇「 国民健康・栄養調査結果の概要」
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000681198.pdf
日本人がミネラル不足になってしま理由については、ひとつは「水」が関係しているのではないかと思っています。
ここ大阪を含む特に関西は日本の中でも軟水傾向で昆布のだしに適している、などという話をよく聞きます。
それは実際に正しく、ミネラルの多い硬水では昆布の味が十分にでません。
特に海外では困ることも多々あります。
日本国内であれば地方がどこであろうと、世界的に見ればだいたい軟水だと言えます。
海外には、水道配管に石灰質が蓄積したりするほど、カルシウムが多い地域もあるようです。
市販されている国内外のミネラルウォーターを例に、ミネラル含有量を比較してみたいと思います。
①「南アルプスの天然水」(日本)
②「い・ろ・は・す」(日本)
③「コントレックス」(フランス)
④「ゲロルシュタイナー」(ドイツ)
それぞれ100ccに含有するカルシウム量をご紹介しましと
①0.6~1.5mg
②0.62~0.95mg
③45.8mg
④36mg
となります。
カルシウム豊富な食品の代表のように扱われる牛乳のカルシウム量は約110mgですから、③と④は、水であるのに非常に多量のカルシウムを含むことが分かります。
それに対して日本の水の①と②には、皆無と言って良いぐらいのカルシウム量しかありません。
③や④のような水を常飲する民族と比較すれば、日本人がミネラル不足になることなど、当たり前のようにも感じます。
つまり、日本の水は衛生的で口当たりも良くおいしいわけですが、栄養成分の観点では貧弱なのでしょう。
また、海外で野菜を食べると日本のものと比べて驚くほど力強い味を持っていることがあります。
そんな国の野菜をしばらく食べて日本に戻ってくると、味が薄くスカスカであることに驚きます。
そういった野菜を活かす調理が日本料理として発展してきたのだと思うので、良い部分もあるのでしょうけれど、海外のミネラル豊富な水を吸って育つ野菜と、日本の軟水を吸って育つ野菜とでは、その野菜の栄養成分にも大きな違いが出てくるものと思われます。
特に最近では、野菜も果物も糖度ばかりが高くて、味に力のないの作物が多くなっているように感じます。
水耕栽培の野菜などは、見た目は立派でも味も香りも弱いのが通常です。
ミネラル豊富なはずがありません。
水を飲んでも野菜を食べてもミネラルが少ない。
こんな理由によって日本人はミネラル不足になるのではないかと思います。
しかし私たちの先祖も、そんな軟水国土で生きるにあたり、ただ手をこまねいていたわけではありません。
水や土にミネラルがないのであれば、別の場所から補給していたのです。
それは、海です。
特に、世界にも類を見ない海藻食文化は、考えてみれば少し不思議なものです。
まず、食べることの最大の意義は、カロリー摂取でしょう。
しかし通常、海藻にはほとんどカロリーなどないのです。
それでも日本人は昔から、あらゆる海藻を食べてきました。
これは、海藻を食べることの健康への意義を経験的に感じていたのではないかと思います。
ミネラル欠乏国土で生きるにあたって、成分分析などできない時代から、経験的に海藻食の重要性に気づいていたとしたら、昔の人の能力もすごいものです。
しかし、現代人はどうでしょう。
中には、栄養的に大問題がある食生活の方もおられるように思います。
過去に、「ヨウ素と海藻食」の投稿で沖縄の伝統食について触れましたが、伝統食文化は決して侮れません。
戦後からずっと、牛乳はカルシウム豊富で「完全栄養食」だなどと刷り込まれて来ましたが、近年ではその弊害も指摘されることが多くなりました。
日々、昆布と煮干しなどで出しを取ってみそ汁を作り、その具材がワカメだったりする。
そんな日本の伝統食の力をもう一度見直してみたいものです。