前回のブログ投稿で、味を正しく評価することの難しさについて書きました。
今日のお話も、それと少し関係しています。
味覚上の判断をしなければならないものはたくさんありますが、その中でもワインは「味の評価軸」が比較的明確になっている分野であるように思います。
ソムリエさんは、分析的にワインの味を表現しますし、ワインコンクールでの評価などもありますから。
しかしそれとて「ひとつの権威が設定した物の見方」に過ぎないのかも知れません。
2020年11月7日に「燃えるワインインポーター『ヴィナイオータ』」というタイトルで、ブログを投稿しています。
本日は改めて、良いイタリアワインのインポーターであるヴィナイオータさんのお話です。
まず私はかなりアルコールが弱い体質ですし、日常的にお酒は飲みません。
ですので、ワインについての知識も皆無に等しいでしょう。
詳しくない人間は、ワインを選ぼうにも何を基準にして良いのやらさっぱり分からないものです。
それが最近では、良いワインを販売しておられるお店へ行って、イタリアコーナーに進み、輸入者が「ヴィナイオータ」となっているものを選んでばかりです。
そうして何種類か試飲させていただいた結果の感想ですが、新しい世界が開かれたように感じています。
どれを飲んでも、素晴らしく楽しい体験をすることになるのです。
これは、カルチャーショックに近いものです。
今までワインだと思っていた世界のものから逸脱するような味に、度々触れることになります。
恐らくヴィナイオータさんで輸入されているワインは、権威のあるワインコンクールで賞を取ったり、そういったことと無縁のワイナリーのものが多いのではないでしょうか。
むしろ、一部のワインずきの方からは酷評されそうな味のものもあります。
しかしそんなワインの味が、なんとも不思議なもので、一瞬違和感を覚え当惑させられるようでありながら、同時に滋味深く、余韻に浸りながら飲み進めてしまうような、不思議な魅力に溢れています。
また、酒が弱い人間にはよく分かるのですが、体に優しいのです。
所謂ナチュラルワインと呼ばれる世界ですので、ぶどうの栽培方法や醸造方法も非常に自然で、そんなところが関係しているのだと思います。
明確な理屈は分かりませんが、質の悪いお酒ほど体にダメージを与えることは間違いないでしょう。
改めて、味の評価軸の設定も難しいものです。
前回のブログで、「歴史を伴った、その道の人たちの評価」が大切だなどと書きましたけれど、それとて万全でないことを示しています。
これまでの一般的なワインの味の見方が、悪いと言うことではないにしても、その価値観では評価されなかった世界にも素晴らしいものがあるのです。
ヴィナイオータのワインに触れてみることは、おいしいとかまずいとか、そんなこと以上の、「食の学び」を与えてくれると思います。
近日こんぶ土居でも、ヴィナイオータさんが輸入された素晴らしいイタリア食材の販売を始めます。
あいにく酒販免許がないので、ワインは取り扱うことができませんが。
これらの食品も、本当に驚くべき品質のものばかりです。
店頭でもネットショップでも販売致しますので、ご期待下さい。
最後に、ヴィナイオータさんのウェブサイトのトップページに記載されている文章をご紹介したいと思います。
是非ご一読下さい。
やはりものづくりに哲学は必要ですし、作り手だけでなく、世に正しく伝える人の役割も大切だと、改めて思います。
ヴィナイオータは…インポーターです。
同時にヴィナイオータは、僕オータの想いや考えを表現するための場でもあります。
ワインを中心に、生ハム、パスタ、穀類、オリーブオイル、バルサミコ酢やジャム等の保存食も扱っているのですが、それら物質的なモノだけにとどまらず、それらが生み出された背景にある、造り手の想い、哲学、理念さえもしっかり輸入したいと本気で考えているインポーターです。
自然に対して畏怖の念を抱いているのなら、自然環境に最大限の敬意を払った農業を心がけるでしょうし、ヴィンテージやテロワールなど、その年、その場所、その土壌の“自然”が余すことなく反映されたワインを理想とするのなら、醸造時に過剰な介入はしないでしょう。
不思議なことに、このように造り手が“我”を捨てて、その時、その瞬間の良心に従ってできたプロダクトには、唯一無二の個性が付与されます。
年の個性、土地の個性、品種の個性、そしてヒトの個性…
ヴィナイオータは、そういった造り手の良心、覚悟、情熱などが詰まったプロダクトがもたらす感動を皆さんと共有すべく、熱苦しくご紹介することをモットーとしているインポーターです。
ヴィナイオータ代表 太田 久人