こんぶ土居の製品「十倍出し」。
「使い方を教えてほしい」と仰るお客様が多いので、YouTube上でレシピ動画を公開しています。
寒い季節になりましたので、鍋料理も良いかと思い、12月7日に「ごま豆乳鍋」のレシピ動画を公開しました。
このレシピを作成するにあたり、一般スーパーで売られている商品がどのような方向性なのかを確認するため、最寄りのスーパーで山積みに売られていたM社の「ごま豆乳鍋」液体スープを購入してみました。
味を見て、、こう言っては何ですが、本当に驚きました。
どう表現して良いのか分かりませんが、本当に不自然で強烈なうまみが舌に纏わりつきます。
おいしいとかまずいとか、もはやそんな話ではなく、十倍出しを使用した「ごま豆乳鍋」とは全く「異質」です。
これは自分で納得いく素材でだしを取り、純正な調味料で味をつけたものと比べても、当然同じ感想になるはずです。
しかし、スーパーで山積みで売られているということは、美味しいと感じている人が多いと言うことです。
また、ネット通販のレビューなども参照しましたところ、非常に良いコメントが並んでいます。
こう考えると、「不自然で強烈なうまみ」だと思った私の感覚の方が、もはや普通でないということかも知れません。
多くの方は、これに何も疑問を感じずに、召し上がるのでしょう。
どなたかが喜んで食べているものを、私がまずいということなど、非常に失礼なことであるのは重々承知しています。
しかし、やはりこれは良くない状態だと思います。
簡単に言えば「本物の味が分からない人」が増えているのでしょう。
「本物の味が分かる」ということは「本物でないものに違和感を感じる」ということです。
M社の製品が好評なのであれば、それ即ち「本物でないものに違和感を感じていない」ということでしょう。
M社製品の原材料は下記の通りです。
『豆乳、すりごま、砂糖、チキンエキス、食塩、ねりごま、ごま油、大豆粉末、アミノ酸液、豆乳粉末、みそ、こんぶだし、調味料(アミノ酸等)、レシチン、炭酸カリウム』
私が感じた「不自然で強烈なうまみ」の元は、原材料表示に記載されている、
によるものでしょう。
最近では、あまりアミノ酸液など使われなくなりましたが、この製品には含まれています。
やはりうまみ調味料のひとつの問題点は、依存性です。
今の時代は、うまみ調味料によって安価にどのようにでも強力なうまみを付与することができるので、そんな製品が氾濫するのも無理のないことです。
つまり、常食すると舌がそれに慣らされ、自然な淡い味では満足できなくなるということです。
味覚の麻痺、です。
是非おすすめしたいことは、やはり「良い素材を選んできて自分で料理をする」ということです。
自分で作れば分かるのです。
一般市販品と自分が丁寧につくったものが、どれだけ違うのか。
ちなみに、M社の製品、販売価格は298円でした。
内容量は750gです。
十倍出しレシピチャンネルでご紹介したものは、80ccの十倍出しを使って1000ccできあがるレシピですので、M社と同じ750g換算で言えば60ccの十倍出しが必要です。
標準十倍出しは400cc入りのものが1100円ですので、60cc分の価格は165円です。
豆乳とごまペーストは別途用意する必要があるとは言え、うまみ調味料で構成されたM社製品が298円に対し、十倍出し165円です。
この価格をどのようにお感じになりますでしょうか。
世の中には、こんな事例がたくさんあるように思います。
本質をつかみ、表面的なものに流されないように注意したいものです。
本物を見分ける目を養うためにも『自分で料理をする』ことは、とてもとても大切ですが、「なべのもと」を買ってきてつくる鍋料理、果たして料理をしたことになるのでしょうか。