こんぶ土居では、三代目の時代から、昆布生産地の方々との良い関係づくりに努めて来ました。
当初は、昆布の品質改善のために始めたことですが、時代が進み、真昆布の生産に大問題が発生している今、その重要性は増すばかりです。
問題山積の現状、その解決に向けた取り組みが必要であるわけですが、残念ながら遅々として進みません。
その理由を考えたとき、「生産地であっても消費地でない」という、北海道の現状も理由のひとつであると考えています。
つまり産地の方に、郷土の産品の価値に対する理解が不足しているように思うのです。
簡単に言えば、産地の方にこそ「もっと真昆布の価値を理解して大切にして欲しい」ということです。
生産は北海道でも、「真昆布を使う文化」の中心地は、言うまでもなく大阪です。
文化的な価値も含め、これまで産地の方に理解して頂けるよう、働きかけを進めてきました。
私共が続けてきた過去の取り組みは、下記の動画でも一部をご覧いただけます。
今年2023年は、昆布産地にて、次世代を担う子供たちや、漁業者、行政、教育関係者に向けて、大きなイベントを開催します。
今年は、素晴らしい援軍、ご協力者様と一緒です。
まずは、大阪が誇るミシュラン3つ星料亭「柏屋」のご主人、松尾英明さん。
松尾さんには以前から、事あるごとにご協力いただいていますが、今回もわざわざ北海道まで行って下さいます。
大阪では、割烹料理店さんは素晴らしいお店が多いのですが、料亭文化が壊滅的に衰退しています。
そんな中で柏屋さんの存在は、大阪にとって本当に大切です。
個人的に、「最後の砦」のように感じています。
もうお一人は、こちらもミシュラン料理人「雲鶴」の島村雅晴さんです。
島村さんのことは、この「こんぶ土居店主のブログ」で何度も書かせていただいています。
一言で「タダモノではない料理人」ですが、ご興味あれば過去投稿をご参照下さい。
このお二方共、昆布のみならず水産資源の未来を憂い、ずっと活動されています。
こんな素晴らしい料理人さん方が、天然真昆布を使った料理を、高校生や中学生に振舞って下さるのです。
通常では、考えられないことだと思います。
夏の昆布漁の時期は、料理人さんのためのウェブマガジン「WA・TO・BI」
の方々に現地を見て頂きましたし、新しい動きがどんどん生まれてきています。
今回のイベントも、漁業関係者だけでなく、教育関係者や行政、マスコミ、様々な方々が聞きに来て下さいます。
なんと、函館市長まで視察に来て下さいます。
過去投稿でご紹介した芝井穣市議も、もちろん来られます。
また事後に、結果をこのブログでも書きたいと考えています。
イベントの概要は下記の通り。
第2回 真昆布フォーラム
『未来を担う次世代のために、世界に誇る真昆布の楽しい勉強会』
(ミシュラン料理人による真昆布料理実演、生徒さん向けの試食会)
世界に誇るべき日本の特別な食材「昆布」。中でも、南茅部で産する白口浜真昆布は、古来より全昆布中の最高級品と見なされてきました。
その素晴らしい文化遺産を後世に残すために何ができるか、未来を担う高校生、中学生と共に考えます。生徒さんだけでなく、地域の関係者に一人でも多くご参加いただきたいと思います。
郷土の産品の価値、地場産業振興の意義について理解を深めていただき、明日の南茅部の漁業を共に創りましょう。
生徒さんには、大阪の一流料理人さんの特別なご協力によって、素晴らしい料理の試食をしていただきます。大人の方は、生徒さんの喜ぶ顔を見て楽しんで下さい。
[日 時]2023年10月25日(水)10時35分~13時30分頃
[会 場]北海道南茅部高校
[対象者]生徒(南茅部高校、南茅部中学校)、保護者、漁業関係者、行政、教育機関等
[登壇者]松尾英明氏(日本料理「柏屋」主人)
島村雅晴氏(懐石料理「雲鶴」主人)
土居純一(こんぶ土居)
スケジュール
【第一部】(10時35分~11時25分頃)
お話『真昆布の価値と現状を知る』
(担当:土居純一)
【第二部】(11時35分~12時55分 )
『天然真昆布を使った料理の調理実演と、生徒さん向け試食会』
(担当:松尾英明、島村雅晴)
【第三部】(13時00分頃~13時30分頃)(第二部が終わり次第開始)
お話『大阪の食文化と真昆布』
(担当:松尾英明、島村雅晴、土居純一)
(了)