さて、過日の投稿でお知らせしました「2023真昆布フォーラム@北海道南茅部高校」。
概要は、下記の前回投稿をご参照下さい。
さて、様々な方のご協力のおかげもあり、無事に終えることができました。
本日は、その概要をご報告するレポートです。
「真昆布フォーラム@北海道南茅部高校」の主目的は、未来を担う次世代に向けて、
『郷土の昆布漁業の価値を理解してもらい、仕事への誇りにつなげること』
です。
ここでやはり大切なのは、聴いて下さった中高生の皆さんが、どのように受け止めてくれたかという結果です。
結論から申しますと、想定以上に良い結果です。
そう感じられるのが、南茅部高校さんが用意して下さった「事後アンケート」。
生徒さん達が書いて下さった内容を拝読すると、こちらの伝えたかったことを十分受け止めてくれているように感じられるのです。(個人情報を含みませんので、本ブログ投稿に全文を掲載します)
イベントを行った者としては、「頑張って開催してよかった!」と思える内容で、非常に嬉しいです。
実は、毎年秋に南茅部高校さんの2年生修学旅行があり、その際に「こんぶ土居訪問」が恒例行事になっているのです。
今年は11月8日でしたが、その日も彼らから直接に感想を聞くことができました。
こんぶ土居では、三代目の時代から30年以上に亘って、大人子供問わず産地の方々に昆布の価値を伝えつづけてきました。
しかし今回ほど、良い形で伝わった感想を得たことは過去にありません。
それがなぜかと考えたとき、やはりお二人の料理人さんのご協力以外に理由が見当たりません。
「柏屋」松尾英明さんと、「雲鶴」島村雅晴さん。
お二人の多大なる善意のご協力によって、成し遂げられた結果であるのは間違いありません。
松尾さんと島村さんは、11月8日の修学旅行時にも、改めて彼らに会いに来て下さいました。
本当に有難いことです。
これまで、真昆布を生み出す「産地の昆布漁師の方々」と、昔からそれを珍重し使ってきた「大阪の昆布屋と消費者」。
この両者の距離が遠すぎました。
後者の代表格が、今回のお二人のような一流料理人であるわけですから、本当に大きな意義があったと思います。
まだまだ問題山積の昆布の生産現場ですが、今回の参加者から、未来の昆布漁業を変革させる力を持つ人が現れてくれるのを願うばかりです。
今後も、微力ながら続けていきたいと改めて感じています。
(了)
(以下、当日の模様を撮影したYouTube動画と、末尾に生徒さんの感想文)
▽アンケート▽ 記入者: 南茅部高校生徒
第2回 真昆布フォーラム ~ 体感! 真昆布の力 ~
『未来を担う次世代のために、世界に誇る真昆布の楽しい勉強会』
1.第1部『真昆布の価値と現状を知る』について
(1)真昆布の価値について、感じたことを記入しましょう。
改めて真昆布の大切さや価値を聞いて南茅部の昆布の大事にしないといけないと思った
昆布の大切さを改めて実感した
価値が高く貴重な食品だと思った
今、真昆布の収穫量が少ないので貴重です
大阪で多くの料亭などで使われていてそれだけ重要なものなのだなと思った
貴重な食品だと思った
南茅部でとれる真昆布はずっと昔から最高級だったこと
これからも大切に守っていかないと駄目だと感じた
古い時代から美味しいとされていたという話を聞いて価値について深く考えさせられました。
日本各地から昆布は愛されてるんだなと感じた。
今まで何気なく手伝ってた昆布はとても貴重品っていうのを改めて知れた。
あまり価値について考えたことはなかったけど、土居さんだったりが説明してくれたおかげで、凄いものなんだと改めて思った
料理が昆布によって高級感が出て全部美味しかった。他の地域では真昆布は重宝されているんだなと感じた。
大阪の料理人に使われるということは価値があると感じた。
様々な昆布がある中真昆布しか使わないというお店があったり、最高級品と言うだけあって凄い価値があるんだなと改めて感じた。
南茅部の昆布が大阪の料理店で最高級品として使用され、昔から凄い価値があったことを実感しました
昆布のだしのうまみで料理をするのは日本独自の食文化で、さらにその食文化で使われている昆布の中で自分たちの町の昆布が昔から1番重宝されているというのは本当に誇りに思う。
真昆布はただの高級品ではなく最高級品だったのは驚きました。
思っていたよりも真昆布の価値が高かったことに驚いた
昔から認められている代物ということや、味はもちろん、生産量や品質も日本一と言っていいほどの物ということ知り、守るべきものだと感じた
日常でも昆布を見ているのであまり価値のあるものだと実感してませんでしたが改めて話を聞いて昆布の価値を実感出来ました
(2)真昆布の現状について、感じたことを記入しましょう。
10年前と比べて急激に減っていきほぼ壊滅状態になってると聞いて悲しい
天然は減っていて促成が9割だと思い年々減っていることについてしれた
とても大切に扱ってほしい
温暖化などで天然が取れてないから良くないと思った
天然昆布が少ない
時代の進化につれ、変わっていく現状を受けて、新たなアイデアが必要だと思った
天然物がかなり少なくなっていることが危機だと感じた
漁師さんも減ってきているなか昆布も1年ものが増えています。天然昆布が復活するようにもっと工夫が必要だと思いました。
天然があまり取れない。形状が悪い。
親とかの話によると天然昆布が採れない海ってことはそのうち養殖もダメになるんじゃないかって言われてて、町の人は結構危機感を持ってると思う。だけど、それをどうにかしてでも守っていかないと行けないと思うから、私たちが考えてそれを実際に試したりしていかないと行けないのかなって思った。
水温の問題で取れなくなっているので恐ろしいと感じでいる
自分たちはこれからも昆布の手伝い頑張らなきゃと感じた。
養殖の昆布しかとれなくなって、あまり使われていないことに驚いた。
南茅部の昆布は最高級品など言われていてすごいんだなと思っていたけど、それは天然の真昆布を指すもので天然昆布が少なくなっている今真昆布から離れる人が出ている事が残念に思えた。
南茅部では天然昆布が採れなくなっていて養殖昆布がほとんどになっているので天然昆布が採れるように取り組まないといけないなと感じました
自分が小学校高学年か中学校に上がったあたりからなんか昆布とり少なくなったなーとは思っていたけど、想像していた以上に深刻な状況なんだと思った。今ある食文化を衰退させたくないと思った。
真昆布は昔、私の家でも取っていたのですが今では周りの漁師も取っているとあまり聞きません。南茅部はやはり真昆布漁が衰退してきていると肌でも感じます。
どんどん少なくなっているんだなとおもった
後継者不足や、収穫量の減少など難しい問題ばかりだが、それについて熟考していきたいと感じた
そんなに少ないのが驚きました
(3)真昆布について、土居さんにもっと聞いてみたいことがあれば記入しましょう。
昆布に興味を持ったきっかけはなんですか
昆布は大阪にとってどれぐらい大事なんですか?
大人の方にも昆布について伝えていくべきだと思うのですがそのような場は今後考えて見ているのでしょうか。
真昆布のどこを主に出汁に取っているか気になる。
もし、真昆布が使えなかったら、どうするのか。
南茅部では天然昆布が採れなくなっているので養殖昆布を使っていると思いますが、南茅部以外の地域の天然昆布と南茅部の養殖昆布ではどちらが品質がいいのでしょうか
昆布はやっぱり乾燥してあるから特に保管方法に気をつけなくても品質が保たれますか?
2.第2部『天然真昆布を使った料理の調理実演と生徒向け試食会』について
(1)試食した料理の感想を記入しましょう。→①椀もの ②お造り ③昆布菓子
美味しかった
1 柚の匂いがすごくしてた 2 ブリは少し臭みがあったが他の刺身は美味しかった"
とても美味しかったです。
どれも美味しくて貴重な体験だった
① 昆布の出汁がきいていた ②醤油も美味しくて刺身も美味しかった ③美味しかった"
① そもそもお吸い物が好きではないのですが、とても美味しかったです。
➀出汁がきいていて美味しかった ②地域の魚を味わえてよかった
③昆布を使った菓子は初めてだったので良かった"
①体に染み渡るような温かい温度で、たくさんの素材を活かした味と、上品で透明なお汁が美味しかったです。
②わさびとお醤油の味をつけているのに魚の香りと味が深くする美味しいお刺身でした。
③ツルツルとした舌触りと、昆布のザラザラとした舌触り、そして昆布の香りがしても甘いお菓子が不思議でした。
①柚っぽいものがアクセントになっていて美味しかった。
②魚はあんまり好んでなかったけど食べてみたら克服できた。
③みんなは好んでいなかった気がしたけど私は好きでした。全部美味しかったです。"
昆布菓子が特に美味しかった。最初の1口目で昆布の味が感じられて、あんことか絶妙にマッチしてた。私はくるみが好きだから特に美味しかった。
①とてもおいしかった ②昆布が使われた醤油がとてもおいしかった ③甘くてとてもおいしかった"
お造りの刺身を松前醤油につけて食べてみると、刺身に醤油のうまみがあわさっておいしかったです。
①香りも見た目も澄み渡っていて、すっと受け入れられる味で美味しかった
②お刺身に弾力があって美味しかった。神経じめの大切さがわかった
③昆布とお菓子の相性ってどうなんだろうと思ったらクルミとも相性が良くて美味しかった"
①昆布の出汁が凄く美味しくて全部食べました。②とても新鮮な状態で食べることが出来て美味しかったし醤油も凄く美味しかった③羊羹に近いようなお菓子で凄く美味しくてもう一個食べたいくらいでした
①昆布のだしと柚子ってかけあわせていいんだ……!と思った。すごく香りが良くて味が澄んでいて心から美味しいと思った。繊細な味を楽しめるようになった気がする。
②ヒラメの刺身なんて普段自分から食べないから初めて食べたけどすごい美味しくて、これからは食べようと思った。醤油がほんとに美味して、病みつきになった。家用に買おうと思う。
③昆布と和菓子の組み合わせは意外だった。優しい甘さで上品な味だった。和菓子苦手だけど、この優しい味はすごく好みだった。"
出汁がとてもいい香りでゆずがその香りを引き立たせていました。刺身は醤油とワサビがとてもおいしかったです。南茅部の魚はいつも食べているのですが、醤油でかなり味わいが変わりました。昆布菓子はくるみの風味が良い感じを出していて何層にもある味がとても良かったです。
どれも美味しくあまり食べたりしていないものを食べれて楽しかった。
お造りにつける醤油がものすごく美味しかった
とても強い昆布の香りと、とろみが刺身に合うなぁと感じた"
椀物「ゆずの香りと昆布の香りが良かったですし出汁がきいて美味しかったです」お造り「タコがとてもコリコリしていて美味しかったですブリは歯ごたえあって美味しかったですヒラメはしっとりしていて美味しかったです」菓子「寒天?でしたっけ私はちょっと苦手だったんですけどクルミの味とマッチしていて美味しかったです」
3.第3部パネルディスカッション『大阪の食文化と真昆布』について【高校生のみ回答】
(1)大阪の食文化と真昆布について、感じたこと・考えたことを記入しましょう。
大阪府と真昆布の関係を聞いて改めて真昆布の大切さがわかった
私たちの昆布を大切につかってくれてる 大阪と真昆布は、とても大事な、関係だと思いました
色んな形で関係しているのだなと改めて感じた 真昆布は食にとっては大事だと思った
とても大切に扱ってもらっていることが伝わって、これまで頑張ったことが良かったと思いました
深く繋がっていると感じた 大阪の方に大変大きく評価されていた事が驚きました。
大阪と深く関わっているんだなと感じた。
大阪とこの真昆布はすごく特別な関係を持っていると思った。その関係を保つために真昆布を守らなくてはならないなと感じた。
だしが色んな料理に使われてるんだと思った
真昆布が大阪の食文化を支えていることが分かって、真昆布の需要があるということがわかった。
たこ焼きや高級料理にも昆布の出汁が使われていて、大阪の味の根底を支えてると思うと南茅部で昆布漁に携わっていることが自慢に思えるなと感じた。
南茅部では昆布の出汁を取ったら昆布は捨てますが大阪では出汁を取り終わった昆布も佃煮にしたり、あんこにしたりして食べることが分かりました。南茅部に住んでいるのであまり考えたことがありませんでしたが、南茅部の昆布と他の地域での昆布を食べ比べて味の違いを感じたいと話を聞いて思いました
天下の台所と呼ばれる大阪の食文化と真昆布は、自分が思っている以上に深い繋がりがあって、こんなに離れているところで確かに繋がっているのを感じて本当に誇りに思うし、真昆布の美味しさを引き出す料理をしてくれてる方々に感謝しかない。やり方次第でこんなに素晴らしい味わいになるんだと感動した。働いてお金が貯まったら絶対自分で食べに行きたい。
私たちの真昆布が大阪の食文化にとって大きな関わりがあること。それが危機的状況なのは分かりました。でもやはり真昆布を取るにはウニの影響が大きく大量に取るのは難しいのが現状だと思っています。
話を聞いている時そんなに南茅部の昆布が美味しくて価値があるのかと思いました。特に江戸時代から美味しいと伝わっていたのがびっくりでした
4.真昆布フォーラム2を通して、南茅部産真昆布について初めて知ったことやあらためて考えたことを自由に記入しましょう。
南茅部茅部の昆布をどうやったら前みたいに再生出来るのかをこれから考えたいと思います
真昆布は大切ってことを学んだ
高級料理で使われるほど、いい食材が地元にあることをこれからは誇りに思っていきたいと思います
大切にしていかないといけない 美味しかったです
あんこと昆布が合うことを知った。その他にも出汁をとった昆布の使い道などを知れたので良かった。
真昆布がどれだけ大阪の食文化を支えているかが分かって、あらためて真昆布の重要性が分かった。
南茅部の真昆布が日本にとって大切な食材であることと、昆布漁をしている漁師の数と天然昆布の減少の現状を見るとかなり重大な問題だなと改めて感じることが出来た。
南茅部の地域に住んでいて身近に昆布があるので深く考えていませんでしたが南茅部産の昆布が最高級品で大阪の人に愛されているということを改めて考えました。昆布の手伝いが嫌だなと思っていましたがやりがいがあるなと考えました。
家で使うときは、せっかく日本一の昆布なんだから出汁をとったあとも捨てずに他の形で料理に加えようと思った。 真昆布に長い歴史があることを知った
昆布に精通している団体から、最高級と評されるものだとは知らなかった
改めて昆布を大切に昆布の手伝いを面倒臭がらずやっていこうと思いました