世界中の美味しい食べ物をあつめたセレクトショップ「DEAN & DELUCA」さん。
とても有名ですから、知らない人はあまりいないでしょう。
こんぶ土居ともお取引いただいていまして、最近、楽しいことが次々に起きています。
そんなきっかけで、本日の投稿では、お取引が始まった当時から振り返り「DEAN & DELUCA」さんと私共の嬉しい関りについてご紹介するものです。
段落としまして、
「突然の訪問者」
「セレクトをチェック」
「担当者が変わっても」
「オリジナル商品、脅威の品質」
と順に書いてみます。
『突然の訪問者』
2016年の夏の日、ある男性がアポも無しに突然私共を訪問して来られました。
それが、DEAN & DELUCAさんでバイヤーをしておられた宮嶋真志さんでした。
「新米と楽しむ究極のごはんのおとも」というプロモーション企画で、私共の製品を扱いたいとのご要望を頂いたわけです。
当時の私もDEAN & DELUCAさんのことを知ってはいましたが、お店を利用させていただいたことはありませんでした。
ご要望いただくことは非常に有難いのですが、こんぶ土居では安易にどの企業様へも商品を卸すということは致しません。
どのようなお考えで製品のお取り扱いを希望して下さっているのか、それを確かめる必要があります。
天下のDEAN & DELUCAさんに対して、零細昆布屋である私共が非常に失礼なことですが、後日リサーチのために大阪の店舗へ足を運ぶことにしました。
このような最初の接点であったのですが、実は宮嶋さんと私には共通の知人がいたのです。
不思議なご縁でびっくりしましたが、北海道の真昆布産地からも遠くない「七飯町」で山羊を飼い、チーズづくりをしている「山田農場」の山田さんです。
北海道の某同業昆布屋さんに山田さんのチーズをいただいたことがあったのですが、個人的には東日本大震災の年にお知り合いになりました。
山田さんご夫妻の、「つくるチーズ」「暮らしぶり」「お人柄」が個人的に大好きで、北海道への出張時には、よく訪れます。
どういった話の流れか忘れましたが、宮嶋さんのご出身の話題になって、お伺いしたところ北海道の「新得共働学舎」がご実家だとのことで驚きました。
この「新得共働学舎」さんこそ、山田さんがチーズづくりを学んだ場であったことを、以前から私も聞き及んでいたのです。
宮嶋さんも、当然山田さんのことはご存じです。
そんなこんなで、昆布の話をあまりせずチーズや新得共働学舎さんのことについて、色々とお話しさせていただいたように記憶しています。
楽しい思い出です。
『セレクトをチェック』
前段で書きました通り、宮嶋さんとの不思議なご縁で大いに盛り上がったわけですが、それはそれ。
DEAN & DELUCAさんが、どのような考えで取り扱い商品を選んでおられるのかを知るため、私は後日「DEAN & DELUCA大阪店」へ向かいました。
まず、驚いたことは、和食材が豊富に揃えられていることでした。
そもそもアメリカの企業からブランドは始まっていますし、輸入品が多いのかと思っていましたが、そうでもないのです。
そして、その和食材をざっと拝見して回りました。
結局私が知りたいことは、こんぶ土居の食品に対する考え方と、DEAN & DELUCAさんのそれが、近いのかどうかということです。
具体的に言えば、例えば食品添加物まみれの製品は論外ですし、特に昆布屋的観点で申し上げれば、伝統食文化の衰退を招くうまみ調味料の多用も好ましくないと考えています。
そういった視点でDEAN & DELUCAさんのセレクトを拝見すると、一本スジが通ったものを強く感じました。
当時、とても驚いて嬉しかったのを覚えています。
こういった考えで取り扱い商品を選んでおられるのであれば、ご来店客様にも私共の製品をご理解していただけるだろうと感じました。
こうして、DEAN & DELUCAさんとこんぶ土居のお取引が始まったわけです。
『ご担当者が変わっても』
先に書きましたように、当初のバイヤーさんは宮嶋真志さんでした。
その後、三上昌洋さんというご担当者様が後任を務めて下さいました。
三上さんにも、ご在任中は大変好意的に対応していただけたのが非常に有難いところです。
そして現在のご担当者様が、また非常に素晴らしい方で。
吉住さんという女性です。
この吉住さんのご経歴もとても興味深く、そちらは下の記事にてご紹介と致します。
吉住さんは、わざわざ東京から私共の店舗へ足を運んで下さったこともあって、たくさんお話を伺いましたが、静かな良い情熱に溢れた方だと感じました。
それは、先のネット記事をご一読いただければ、よく分かるかと思います。
一般論として、企業規模が大きくなれば、ご担当者様の異動はつきものです。
そんなとき、残念に感じる場合が無いではないのです。
それは「前の担当者さんは熱心で良い方だったのに、後任がイマイチ」という流れです。
こういったことが起こるのは、ある意味仕方のないことですが、なにしろ残念です。
しかし、DEAN & DELUCAさんについては、言ってみればその逆。
宮嶋さんから始まった良いご縁は、吉住さんによって更に素晴らしい方向へ進んで行くのです。
『オリジナル商品、脅威の品質』
吉住さんが担当して下さって以後、新しいことが生まれます。
それは、こんぶ土居製品を原材料に使用した、DEAN & DELUCAさんオリジナル商品です。
最初に実を結んだのが、こちらの商品。
おでんです。
これは、冬季のみの限定商品で今は買うことができませんが、びっくりするほど美味しいです。
特筆すべきは味わいの清らかさ。
シンプルであって、同時に確かな満足感もあります。
それは、使用される具材も厳選されたものであるからこそでしょう。
そして、原材料表示を見て更にビックリ。
おでんの味付けに使われた調味料が、私共のダシと塩だけだったのです。
醤油やみりんですら入っていません。
こういった無駄を潔く削ぎ落した製品の実現には、ある意味の信念が必要で、できそうでできない事柄です。
恐らく来年も販売されるのではないかと期待しておりますので、食べてみたい方は来冬まで待ってみましょう。
そして今年、また新たな商品が生まれました。
それがこちら。
「銀鮭」「鯖」「 帆立」「穴子」と四種類の、だし茶漬けの素。
ご厚意で吉住さんが完成品を送って下さったのですが、これまたビックリするほど美味しいのです。
そして、こちらもおでん同様に、調味料が私共のダシと塩だけなのです。
いやはや。なんとも。
非常に嬉しいのと同時に、責任の重さを感じます。
私共が製造するものの味が、DEAN & DELUCAさんの製品クオリティに直結するわけですから。
オンラインストアに記載して下さった言葉を抜粋してご紹介しますと。
魚介の味わいを最大限に引き出す、とっておきの昆布出汁
シンプルに調理した魚介のおいしさを、より一層引き立てるお出汁を求めて。何種類も試し、試作を繰り返した結果、たどり着いたのは大阪の昆布専門問屋『こんぶ土居』のお出汁です。
どのような具材も受け止める昆布ベースの清らかな旨みは、優しい味わい。すべての具材とバランスよく、なおかつ魚介の味わいを最大限に引き出します。
こんなことを書いて下さって非常に恐縮、今後もご期待に沿えるものづくりを続けたいと思います。
こちらのお茶漬けは今も買うことができます。
是非お試し下さい。
ちょっと、この製品を超えるお茶漬けの素が世に存在するイメージができません。
さて、ざっとこんな感じのこれまで。
素晴らしいご担当者さんばっかりで、本当に有難いです。
結局は『人』、ですね。
今後また、DEAN & DELUCAさんと私共の間に、新しい何かが生まれてくるかも知れませんよ。
個人的に、とても楽しみです。
最後に、手前味噌で恐縮ですがDEAN & DELUCAさんが私共について書いて下さった記事も貼り付けておきます。
よろしければ、ご一読ください。
(了)