こんぶ土居店主のブログ

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パンと日用品の店「わざわざ」、訪問時の感想

 

前回投稿しましたヴィナイオータさん訪問。

大阪を出発して、一連の行程でもう一軒訪問した先がありました。

それが、長野県にある「わざわざ」さんです。

 

 

パンと日用品の店 わざわざ

 

社名「わざわざ」の通り、通りすがりで寄るような場所でなく山道を車で登って辿り着く、まさにわざわざ訪れるお店です。

製造のお仕事としてパンを焼いておられるのと、社長の平田はる香さんが選ぶ日用品や食品も販売する会社です。

 

わざわざさん、とても有名ですので、ご存じの方も多いでしょう。

創業からまだ10年ほどですが、あっという間に多くの方の支持を集め、知る人ぞ知る存在となりました。

 

わざわざさんの魅力を構成するものは、本当に多面的です。

 

〇つくること

〇審美眼

SNSを駆使した現代的な販売戦略

〇人材育成

〇社長、その人

 

ざっと、こんなところが主でしょうか。

それぞれについて書きますと、

 

〇つくること

もともとパンを焼いて販売するところからスタートされた会社なので、原点はものづくりです。

今でも現役で稼働している創業当時に作られたパン焼きの釜を見せていただきましたが、本当に小さなスペースでした。

その場所で、平田さんが生地をこね、発酵させ、焼いておられた姿が、浮かび上がってくるような不思議な場所です。

そこはパンを焼く厨房でもあり、同時に店舗であるわけですが、増築を繰り返して変化していったその場所は、多くの部分が平田さんのセルフビルドだと伺いました。

私も小さな家を一軒セルフビルドでリノベーションした経験がありますが、本当に大変な作業です。

大工さんに施工してもらったのとは違う、念がつまったような空間になっているように感じます。

 

〇審美眼

作ることと共に、良いものを見つけてきて販売できることがわざわざさんの強み。

独自の基準でセレクトされた商品群が人を惹きつけているのは間違いありません。

平田さんのおめがねに適う美しさを備えたもの、同時に実用性も高いものを取り扱っておられます。

最近では、新店舗「問(とう)」で、本のセレクトまでされているのは驚きました。

 

SNSを駆使した現代的な販売戦略

写真が趣味の平田さんの本領発揮インスタグラムを始め、SNSのフォロワー数は、すごいことになっています。

共に学ばせて頂いている「良い食品づくりの会」にて、以前発表していただいたことがあったのですが、わざわざがダテにわざわざになっていないことがよく分かりました。

緻密な戦略と、それを具現化する日々の取り組み、本当に驚きます。

「わざわざオンラインストア」は「カラーミー」というサービスを利用してつくられていますが、今年から運営している「こんぶ土居オンラインストア」もカラーミーです。

「あやかって」というところが無いでもないです。

2018年の「カラーミーショップ大賞」では、なんと大賞を獲得されました。

当時45000店のカラーミーのネットショップの中での頂点です。

倣いたいものですが、とてもマネできません。

 

〇人材育成

「仕事」というものに明確なビジョンを持つわざわざさん。

それに共感してくれるスタッフを集め、共に仕事をしていくことを大切にしています。

2017年にわざわざさんが初めて出版した本のタイトルは「わざわざの働きかた」です。

文章や写真、デザインや編集まで自社制作の、完全自費出版本ですが、かなりの部数が売れているようです。

わざわざで働くことを希望する人は、まずこれを読んで感想文を書くことが第一歩です。

こんぶ土居と取引していただくようになって、私が最初に触れたのがこの本で、内容に驚いたのも記憶に新しいところです。

  

〇社長、平田さん

こんな敏腕女社長、さぞかし男勝りのイケイケ経営者かと思いきや、平田さんはなんとも柔らかい雰囲気の女性らしい素敵な方です。 

訪問した日は見事な秋晴れ、新店舗『問(とう)』の前の芝生の広場で、お茶を入れてくれました。

忙しい人ですのに、有難いことです。

実際、その日は結構長い時間一緒にいたのですが、仕事の話は結局ほぼ何もしなかったのです。

嬉しそうに茶器の話などをしている平田さんを、まぁなんとも面白い人だなぁ、と眺めていました。

 恐らくわざわざさんの顧客層は、相当な割合で平田はる香ファンが占めているような気がします。

 

 

だいたいこんなところです。

なんだか褒めちぎった変なブログ投稿になってしまいましたが、こんぶ土居としても学ぶべきところがたくさん見つかった訪問でした。

簡単にまねできないことばかりですが、少なくとも核である製品づくりだけは、隙の無いものを続けていきたいと思います。

 

もしご興味あれば、『わざわざ』にわざわざ訪れてみてはいかがでしょう。

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(芝生の上でお茶をいれてくれた平田さん)