こんぶ土居店主のブログ

こんぶ土居店主によるブログです。お役に立てれば。

「無添加」の問題点

 

意外に思われるかも知れませんが、こんぶ土居は自社の製品づくりに「こだわり」という言葉を一切使いません。

商品パッケージや印刷物、公式サイトやオンラインストア含め、この言葉は全く見当たらないはずです。

本来「こだわり」とは、誰かが何かに執着している状況を指すことばですから、優劣とは何の関係もありません。

私共では、手前勝手な「こだわり」などに執着するつもりは毛頭ありませんで、根拠を伴った「良い」食品づくりや、情報発信を続けていきたいと思います。

 

 

他にも、「うまみ」という言葉も、できるだけ使わないようにしています。

その理由は単純、昆布の味と「うまみ調味料」の味の線引きが曖昧になるように感じるからです。

単純に「うまみ」を増強したければ、昆布など使う必要は全くなく、うまみ調味料を入れれば解決する話です。

 

 

そしてもう一つ、一切使わない言葉。

それがタイトルの「無添加」です。

こんぶ土居では、全製品について食品添加物を一切使用していません。

それなのに、「無添加」と謳わないのは、この言葉の「使われ方」に大いに疑問を感じているからです。

 

 

実は、行政も似た問題意識を持っているようで、いずれ制度によって規制される見込みです。

食品添加物の不使用表示に関するガイドライン」というもので、情報がまとめられています。

資料のリンクを貼っておきますので、ご一読いただければと思います。

https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000228347

 

こちらでも書かれている通り、「無添加」という言葉は、これまで使い方に取り決めがなく、食品事業者が好きなように書いているのが現状です。

それは、消費者の「優良誤認」を招きかねないと、消費者庁は考えているようです。

上の資料では、例として10の類型を挙げて説明しています。

 

類型1 単なる「無添加」の表示

類型2 食品表示基準に規定されていない用語を使用した表示

類型3 食品添加物の使用が法令で認められていない食品への表示

類型4 同一機能・類似機能を持つ食品添加物を使用した食品への表示

類型5 同一機能・類似機能を持つ原材料を使用した食品への表示

類型6 健康、安全と関連付ける表示

類型7 健康、安全以外と関連付ける表示

類型8 食品添加物の使用が予期されていない食品への表示

類型9 加工助剤、キャリーオーバーとして使用されている(又は使用されていないことが確認できない)食品への表示

類型 10 過度に強調された表示

 

 

私共の業界の製品にも、場合によっては良い影響が出るかもしれません。

例えばダシの世界。

これまでは「化学調味料無添加!!」とパッケージに大きく謳われた製品が多く存在しました。

その一方で、類似の効果をもたらす酵母エキスやたんぱく加水分解物、他のエキス類などのうま味調味料は使われている場合が多いものでした。

しかしこれは、上記の類型5に抵触するように思います。

実際に例として、『原材料として、アミノ酸を含有する抽出物を使用した食品に、化学調味料を使用していない旨を表示』と書かれています。

 

そもそも、現在は「化学調味料」という呼び方は、公的には存在しないことになっています。

代わりになる言葉は「うまみ調味料」です。

これは、類型2に関係します。

 

こんぶ土居でも「化学調味料」という言葉を使って何かを表現することがありますが、今後は「うまみ調味料」で統一する方向で進めたいと思います。

これによって、酵母エキスやたんぱく加水分解物、各種エキス類も包括的に表現することができますので。

 

上記の類型9では、加工助剤やキャリーオーバーについても記載されていますが、これについては、私の過去のブログでも書いています。

表示を免除されるもの②キャリーオーバー - こんぶ土居店主のブログ

表示を免除されるもの③加工助剤 - こんぶ土居店主のブログ

 

 

こういった制度変更は、言わば「制度の抜け道」「法の網目」を突いた製品への問題意識から始まっているのだと思います。

これまでも、そしてこれからも、狡賢い食品生産者は上手に消費者を欺きますから、注意が必要です。

実際に、そんな製品が溢れているのです。

次回の投稿では、具体的な製品事例を挙げ、注意が必要であることをご理解いただければと思います。

 

 

冒頭に、こんぶ土居が使用しない言葉について書きました。

ついでに申し上げますと「コンプライアンス」という言葉も、あまり好きではありません。

この言葉は「法令順守」と訳されますが、「法に合致していれば良い」という考えであるから、その抜け道を探すことになるのでしょう。

そんなことでなく、自らの良心に従って製品づくりをしているメーカーもたくさんありますから、違いをご理解いただける方が多くなれば嬉しいです。