こんぶ土居店主のブログ

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表示を免除されるもの③加工助剤

昨日に引き続き、表示を免除される食品添加物につきまして。
本日は、「加工助剤」を取り上げます。

 

「加工助剤」とは文字通り、加工食品を製造する際に、製造を容易にする為に利用される成分のことです。
この場合、含有していたとしても表示義務がありませんので、消費者が十分な情報を得られないことになります。
東京都福祉保健局のウェブサイトが分かりやすかったので、そちらから引用しますと、下記①~③のどれかに該当すれば表示義務なしとのことです。

 

①当該食品の完成前に除去されるもの
②当該食品の原材料に起因してその食品中に通常含まれる成分と同じ成分に変えられ、かつ、その成分の量を明らかに増加させるものではないもの
③当該食品中に含まれる量が少なく、かつ、その成分による影響を当該食品に及ぼさないもの

 

①に関しては、本当に除去されるのであれば、その食品に含まれないということになるので、表示義務がなくて問題ないかと思います。
ただ、②と③は、含まれていても表示義務がないと言うことになりますし、「量を明らかに増加させるものではない」、「量が少なく」等、基準に明確な線引きがなく曖昧です。

①の例として東京都福祉保健局が挙げているものに、「油脂製造時の抽出溶剤であるヘキサン」があります。
この製造方法の油脂の問題点については、後日記述致します。
②の例としては、「ビールの原料水の水質を調整するための炭酸マグネシウム」とあり
③には「豆腐の製造工程中において、大豆汁の消泡の目的で添加するシリコーン樹脂」が例示されています。

 

ビールに炭酸マグネシウムが使われていたり、豆腐にシリコンが使われていることをご存じない方がほとんどだと思いますが、それは表示義務が無いからだとも言えます。

 

豆腐は、大豆を潰して豆乳をつくりそれを煮てニガリを打って固めるわけですが、豆乳を煮ると必ず泡が出ます。
この泡は、豆腐屋さん泣かせで、昔から何とか泡を抑える工夫がされてきました。
こんぶ土居でも取引のある、香川県で良い豆腐づくりをされている「久保食品」さんでは、泡を抑えるために米糠を使われています。
原材料表示欄にも「米糠」と明記されています。
しかし、一般の豆腐づくりでは、この「消泡」の目的でシリコンがしばしば使われるのです。

 

前述の久保食品さんに実験を見せて頂いたのですが、洗剤を水に溶いて撹拌し泡がモコモコになったところにシリコンの水溶液を吹きかけると、たちどころに泡が消えるのを見て非常に驚きました。
シリコンが人体に悪影響があるのか無いのかは分かりませんが、個人的にはそんなものが使われていないものを選びたいです。
ですので、加工助剤との名目で表示が免除され情報が十分に得られないことは、一消費者として不満に思います。

 

これまで連日、表示を免除される事例をご紹介してきましたが、次回は、最も問題が大きいとも言える四つ目の表示免除の事例をご紹介します。