このブログでも度々書いております、天然真昆布の大凶作。
これは正に、環境変化が主な原因です。
当然ですが、環境変化は昆布にのみ影響を及ぼしているわけではないので、他の動植物にも関係するわけですが、やはり海藻類のダメージが全体として大きいように感じています。
「海苔」も、そのひとつ。
私共では、数十年前から「無酸処理焼海苔」を販売してきました。
この製品にかけた想いは、オンラインストアに記載しておりますので、ご一読下さい。
製品コンセプトとして掲げているのは主に下記の3点です。
◯無酸処理であること
◯一番摘みであること
◯産地は伊勢湾
この3点の中で、産地には特に大きな意味はありませんで、大阪から近い地域であることや、生産者の方とのご縁がきっかけです。
一番摘みは、柔らかく風味が良いからですが、やはり最も大切にしているのは、「酸処理」をしていないことです。
理由は簡単で、海の環境が良い状態で守られて欲しいからです。
しかし、無酸処理の海苔をお届けすることは、年々難しくなってきているように感じます。
そもそも酸処理とは、海苔の病害や雑海藻の問題を解決するためのもので、海洋環境が良ければそういった問題もあまり起きないわけです。
逆に、水温が高かったり栄養塩が足りなかったり、海苔にとって厳しい環境になればなるほど、正常に生育しないリスクが高まり、海苔漁師さんも酸処理をせざるを得ない状況になります。
タイトルに書きました「海苔の味がブレる」。
これは、私共が常に頭を悩ませる問題です。
上記の通りの製品コンセプトで原料を調達して製品化するのですが、味は様々です。
自然のものですから、いつも理想的な品質の海苔が育つといった都合の良いことにはなりません。
本日、わざわざこんなタイトルのブログを書いているのは、昨年度に私共で使用した海苔の品質が非常に高かったからです。
逆に言えば、今年の海苔は少し味覚的に落ちるように感じています。
私がそのように感じるのですから、ご愛用いただいている消費者の方も、同じように感じる方があるでしょう。
「以前の方が美味しかったなぁ」と、もし感じておられるのであれば、心苦しいところです。
しかし、こればっかりは、どうしようも無いのです。
私共では、できるだけ安定して美味しい海苔をお届けするよう努めるわけですが、自然の産物ですので、いつもいつも同じ品質で「ブレが無い」なんて不可能です。
何卒背景をご理解いただき、ご容赦いただけますと幸いです。
過去に本ブログで、酸処理について簡単にまとめたものも投稿しました。
こちらも、もしよろしければご一読下さい。
(了)