こんぶ土居店主のブログ

こんぶ土居店主によるブログです。お役に立てれば。

「珈夢」の小林元昭さん 2020年夏北海道出張レポート⑥

 

こんぶ土居では、「焙煎昆布麺 麺戀」という商品を販売しています。

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私共が製造しているわけではないのですが、店頭で販売をしています。

この焙煎昆布麺をプロデュースされているのが、函館市臼尻町で喫茶店「珈夢」を営む小林元昭さんです。

昆布パウダー入り乾麺うどん「麺戀」完成 / 函館新聞電子版

 

小林さんとの出会いも、不思議なご縁でした。

 

天然真昆布が不作になって以来、海がどのような状況になっているのか、詳しく知りたいという思いは常にありました。

7月21日投稿の北海道南茅部高校。

過去にこの高校を訪問した際にも、校長先生に天然真昆布の不作のことはお話していました。

漁師さん以外で海の中を詳しく知っている人に、誰か心あたりはないかとお尋ねした際、ある方をご紹介して下さいました。

水中写真を撮影するダイバーです。

その方は、もともと東北でダイビングショップを経営しておられたのですが、東日本大震災で被災し、南茅部へ移住してこられたのです。

校長先生がその方をご紹介してくださるにあたり、間に入って下さったのが小林さんでした。

 

校長先生に、小林さんが営む喫茶店「珈夢」を訪ねるように言われ伺ったのですが、小林さんはお仕事中にも関わらずダイバーのお店へ車で送って下さいました。

ダイバーの方とのお話が終わり、お礼をお伝えするため「珈夢」に戻りました。

「珈夢」は、オーディオ趣味の小林さんがすごく立派な音響機器やスピーカーをお店に備え、本当に良いお店です。

 

その際に、お話している中で「焙煎昆布麺」のことも知り、地元の産品である真昆布の利用促進のために考えられた製品ですし、私共でも販売させていただければと思ったわけです。

ただ、製品に少し要望もありお伝えしました。

小林さんは、それを真剣に聞いて下さって、こんぶ土居特別版を作って下さったときは、本当に驚きました。

 

 

焙煎昆布麺は様々に使えますが、鍋物のシメとしての利用もおススメです。

乾麺ですが、そのまま煮込んでしまうことができます。

実は先日、ある高級料亭のお持ち帰り用商品の「鱧鍋セット」に焙煎昆布麺を使ってくださいました。

小林さんのお仕事が、一流の料亭でも認めてもらえたことが非常に嬉しかったです。

現在、北海道以外で販売しているのは、こんぶ土居だけだと思います。

 

先日の出張時に小林さんを訪問したのですが、残念ながら今年はお留守でした。

小林さんは、地域の子供たちへのための活動もされていたり、立派な方です。

私共にも、役立ちそうな方をたくさん紹介して下さいました。

こんぶ土居と南茅部の関りは長い年月続けていますが、まだまだ新しい広がりを見せています。

 

小林さんによる「珈夢のブログ」

https://ameblo.jp/koba-menkoihonpo/

川端翼君の思い出 2020年夏北海道出張レポート⑤

前回と前々回の投稿で、こんぶ土居と磨光小学校、南茅部高校との交流について書きました。

交流した子供さん達の中には、嬉しいことに実際に昆布漁師になった人もいます。

その中でも、将来の南茅部のリーダーになってくれることを期待した人がいます。

タイトルの川端翼君は、そんな一人でした。

川端家は、お兄さんと翼君が若い漁師として頑張って、なんとも良い雰囲気のご家族です。

 

磨光小学校の一日授業では、後日、児童の皆さんが感想文を書いて送って下さることもあります。

川端君も小学5年生当時に、作文を書いてくれました。

それは、一昨年HBC北海道放送で制作され、全国で放送された90分の昆布番組「ニッポン千年のだし」で紹介されました。

川端君に関係する部分を抜粋した動画をご覧いただけます。

www.youtube.com

 

動画にあるように、川端君は私共の話を本当に真面目に受け止めてくれて、良い漁師になるよう頑張っていたのです。

 

しかし、残念なことに翼君は、仕事中の事故によって若くして亡くなりました。

その一報を受けたときは非常に驚き、なんとも残念で悲しい喪失感でした。

今年の出張でも川端さん宅を訪問してご家族に会ってきましたが、皆さん一生懸命お仕事しておられる中に翼君の姿がないのが残念です。

 

動画に出てきた昆布は、私たちにとっては彼の形見です。

良い青年漁師がいたことを、ここに記録しておきたいと思います。

 

南茅部高校 2020年夏北海道出張レポート④

前回投稿しました、函館市立磨光小学校の児童との20年に亘る交流。

それには、続きがあります。

 

NHKが平成19年に、番組でこんぶ土居のことを大きく取り上げて下さいました。

毎年夏に浜へ行って漁師さんの手伝いをしている現場の姿など、非常に長い時間取材して放送してくれました。

この番組は全国放送でしたので、北海道でも見ることができたわけです。

 

偶然この番組を見ていた昆布産地の北海道南茅部高校の生徒さんの中で、こんぶ土居へ行ってみたいと思ってくれた人がいました。

ちょうど南茅部高校では、秋の修学旅行で関西へ来るのが恒例で、そのタイミングを利用して、わざわざ校長先生が将来昆布漁師を継ぐ意思のある生徒さんを4名引率して訪問して下さいました。

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来られた生徒さんの中には、小学校時代に三代目による磨光小学校での一日授業を聞いてくれていた人もいました。

 

それ以後、就学旅行時のこんぶ土居訪問は南茅部高校の恒例となり、毎年秋になれば高校生が来てくれます。 

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彼らは大阪で、自分の町で生産された昆布が大切にされ、人の生活に役立っていることを実感するのです。

浜で生活していれば昆布は見なれたものですが、それがどこに運ばれ、誰の何の役に立っているのかを知る機会はありません。

 

彼らが来てくれた時には、6年前の磨光小学校での一日授業のことも必ず尋ねます。

驚くべきことに、彼らは当時のことを例外なく記憶してくれているのです。

非常に嬉しいことです。

私共の取り組みも、無駄にはなっていないようです。

 

おかげで、南茅部へ行きますと、私共のことを知らない人はほとんどいなくなりました。

これこそが、長年の交流で得られた信頼関係だと思います。

今年の出張でも南茅部高校を訪問してきましたが、コロナウイルスの関係で秋の修学旅行自体が無くなってしまう可能性もあるようです。

感染が収束に向かい、今年も生徒さんに会えることを願っています。

 

天然真昆布が危機的な状況にある今、それを回復する取り組みが必要なわけですが、それは漁師さんの協力なしには絶対に成し遂げられません。

そのために、これまで培ってきた関係が非常に役に立っています。

 

下の写真は、美味しんぼ原作者の雁屋哲先生他、様々な方がご協力くださった二年目の様子です。

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この日のことは改めて別日に書きたいと思いますが、雁屋哲氏のブログ「雁屋哲の今日もまた」でも読んでいただけます。

http://kariyatetsu.com/blog/725.php

 

次回のブログの投稿は、磨光小学校でも南茅部高校でもこんぶ土居と関わってくれた、非常に真面目で良い青年漁師についての、嬉しくも悲しいお話です。 

 

 

函館市立磨光小学校 2020年夏北海道出張レポート③

 

白口浜天然真昆布の産地である、北海道函館市の旧南茅部町には、地元の子供たちが通う小学校があります。

磨光小学校です。

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こんぶ土居では、三代目の時代から生産者の方々との信頼関係の構築に努めてきました。

また同時に、次代を担う若者や子供たちにお伝えすべきこともあり、磨光小学校にて五年生を対象に一日授業を平成11年から毎年続けてきました。

 

白口浜天然真昆布は、「献上昆布」の別名が示す通り、江戸時代から最高級の昆布だと知られてきましたが、実は地元での消費は非常に少ないのです。

大部分は昆布文化の特に発達した大阪へ運ばれ、全国的な流通もなかったことから、地元では郷土の産物の価値が正しく理解されていません。

そんな中で、児童の父兄や地域の方々が担う昆布産業の価値を正しく知ってもらうために始めた取り組みです。

 

平成11年から始めましたので、もう21年間続けたことになります。

何でもそうですが、継続には大きな力があります。

初年度に5年生だった児童は、今32歳になっています。

つまり、地域の若年層全員に向けてお話してきたわけです。

 

今年はコロナウイルスの影響で、例年通りのことができるか分かりませんが、先日の出張の際にもご挨拶してきました。

学校の方でも、是非継続して欲しいと言っていただいています。

過去には、漫画「美味しんぼ」の原作者である雁屋哲氏が、私共の取り組みに賛同し、小学生に昆布の価値を話して下さったこともありました。

三代目の引退時には、感謝状をいただいたことも非常に嬉しい出来事でした。

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天然真昆布が危機的な状況にある今、このような取り組みは、必要性を増しているように思います。

一次産業では共通の課題である後継者不足。

後継者の育成にも私共の取り組みは貢献した自負もありますが、彼らが大人になったとき過去と同じように自然の恵みが十分に得られ、浜での生活に問題ないようにしなければなりません。

ある意味責任重大です。

時代と共に移り変わるテーマについて、子供さんと共に考え続けたいと思います。

 

原彰彦北海道大学名誉教授 2020年夏北海道出張レポート②

以前からお伝えしております天然真昆布の危機。

それを救う手立てを模索し、取り組んでおります。

今年の夏の北海道出張の主たる目的は、その道筋を探すためです。

多くの方が協力して下さっているので、それを記録するためにも、主に人物を軸として出張レポートを書きたいと思います。

 

今年は、不思議なご縁で北海道大学水産学部の原彰彦名誉教授とお知り合いになることができました。

大阪に住んでおられるお嬢さんを訪問するために来阪された際に、奇跡的なタイミングで接点を持つことができました。

原先生は魚の方がご専門ですので海藻は畑違いなのですが、他の研究者や行政機関、企業等を紹介して下さったり、本当に有難いことです。

 

今回の出張でも、私が宿泊しているホテルにわざわざ愛車のジムニーで迎えに来て下さって、役に立ちそうな場所を朝から一日かけて次々と案内していただいて、どうしてそこまでして下さるのか不思議なほどです。

特に伝手の無い状態ではなかなか話を聞いてもらえないようなところでも、原先生が間に入って下さると本当にスムースです。

他の方々の反応を見ていても、先生の人望が見て取れます。

 

環境が悪化する中で天然真昆布を救うことは、簡単なことではありません。

ある試みを実現するために多くの方のご協力が不可欠ですが、このような人脈は数珠つなぎです。

私欲のためでなく守るべきもののために動けば、それに賛同して協力して下さる方々は次々に現れます。

 

大変な取り組みではありますが、自分が動き出せば、周りも動くことを実感しています。

それが、やがて大きなうねりとなって物事を動かす力を持つようになることを期待しています。

 

始まったばかりの取り組みではありますが、もはや後ろには引けないような状況です。

協力して下さった方々の期待を裏切らないためにも、粘り強く取り組み、成果を上げたいと思います。

 

2020年夏、北海道出張レポート①

 

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この漁船は、2020年6月27日投稿の「平成16年夏、昆布漁のお手伝い」で書いた、故・吉村捨良さんが使っていた昆布採りのための漁船です。
https://konbudoi4th.hatenablog.com/entry/2020/06/27/092818

今は誰も使う人がいません。

 

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この斜路を降りて漁に出ましたが、斜路も使わなくなっているので、少し寂しい感じです。


6月27日のブログで書いた昆布漁は、まさにこの前で採取をしたのです。


しかし現在、このあたりには一切昆布は生えていません。
当時とは、全く様変わりしてしまいました。

(7月7日投稿、「天然真昆布の危機」)

https://konbudoi4th.hatenablog.com/entry/2020/07/07/094116

 

 

今週は北海道へ出張していますが、過去と同じように昆布漁の手伝いなどをやっている場合ではなくなりました。
危機的な状況にある天然真昆布を救う手をなんとか見つけるべく、様々な方に話を聞いて解決策を模索する日々です。

 

現在の危機的な状況を、誰も良いことだとは思っていません。
元に戻って欲しいと皆が思っています。
ただ、願っているだけでは解決しません。
具体策が必要ですが、あまり有効な取り組みが為されているようには見えません。


本来、こんぶ土居のような零細企業が取り組むべき問題ではなく、業界団体や昆布産地で十分な対策をして欲しいものです。

 

三代目が30年ほど前に、当時の業界としてはタブー的であった漁協との関わりを始めたのは、品質の問題を解決するためでした。
それは、こんぶ土居の製品の品質を上げたいとの思いであったわけですが、そのために川汲浜の天然真昆布の品質全体を上げる必要があったのです。
これはこんぶ土居のためであると同時に業界にもプラスに働くことであったわけです。
本来品質向上の取り組みは、漁業者や業界団体ですべきことだったでしょう。

 

『時代は繰り返す』、そんな気もします。


しかし、テーマは「品質を上げる」から「瀕死の天然真昆布を救う」に変わっています。
遥かに重大で、遥かに困難なテーマになってしまいました。

 

ただ、動き出せば少しずつ何かが見えてきます。
助けてくださる方も多々います。

今日のブログからしばらくは、2020年の昆布産地出張レポートを書くつもりです。


未来に、この活動が実を結ぶよう、粘り強く取り組みを続けたいと思います。

 

 

うまみ調味料の功罪と、昆布屋としての展望

 

家庭で手作りの食事を用意する人が、残念ながらどんどん減ってきているようです。

私共は昆布屋ですので、その価値を理解し使って下さる方が増えることを、当然望んでいます。

知っていただく機会として開催してきた「たぶん日本一のだしの取り方教室」は、今年で14年目です。

今後も、様々な取り組みは続けていきますが、それでも難しさを感じることばかりです。

近い未来に於いて、家庭で昆布だしを常用する方が増えている予想図は、なかなか描きづらいものです。

 

前回の投稿では、うまみ調味料の歴史について少し書きました。

https://konbudoi4th.hatenablog.com/entry/2020/07/09/091210

もう、化学調味料が発明されてから100年以上が経過するようですね。

 

その後も、うまみ調味料の業界は進化を続け、様々なタイプのものが登場しました。

化学調味料に代わって多く使われるようになったうまみ調味料の代表格は「酵母エキス」でしょうか。

このうまみ調味料は、化学調味料に比べて味がマイルドであることや、食品添加物でなく食品として扱われることから、多用されるようになりました。

それによって、「化学調味料無添加!」とアピールして販売する構図も非常に多いです。

うまみ調味料のカテゴリーによって変わる原材料表示については、過去投稿をご参照下さい。

「表示を免除されるもの①」

https://konbudoi4th.hatenablog.com/entry/2020/05/27/160912

 

うまみ調味料業界の技術は、日進月歩です。

実際に、過去と比べて安価な大量生産品の味覚的な品質は飛躍的に上がっています。

簡単に言えば、今の時代「まずい加工食品」があまり無いと思います。

「おいしくない加工食品」なら、たくさんあります。

ただ、「まずい」と断言してしまえるような製品は、少ないのではないでしょうか。

 

例えば、100円均一のお店へ行けば、様々な食品が並んでいます。

すべて100円ですね。

普通に考えれば、そんな価格で販売できるわけがないのです。

作る側になることを想像すれば分かります。

徹底的な原料や手間のコストカットをしないと、100円などではとても売れないはずです。

ただ、そんな商品であったとしても、吐き出さないといけないようなまずいものがあるでしょうか。

 

今の時代、「60点」の商品なら大量に安く簡単に製造することができるのだと思います。

これらは、本物の素材を使用して作った製品と同じような品質は決して出せませんので、「95点」のものはできません。

過去には、「安かろう悪かろう」という言葉がありましたが、現在は安くても「普通」のものなら手に入るのだと思います。

 

食品の、こういった構造にうまみ調味料は大きく貢献しています。

「自然なもの」「伝統的なもの」を使わずとも、なんとなく味を調えてしまうことが簡単にできるのです。

このような状況ですと、手間とコストをかけて昔ながらの良い原料を使わなくてもいいじゃないかと考える方が出るのは、普通のことだと思います。

ただこれは、伝統的で自然な食品の衰退に関係します。

本物が価格競争に敗れて淘汰されていってしまうのです。

 

昔ながらの伝統的な食品の中には、本当に人を幸せにするような素晴らしく美味しいものが存在します。

言ってみれば「100点に近い」食品です。

人間の工夫によって作り出されたものもありますし、単に自然から与えられるものもありますね。

例えば昆布屋的に申し上げるなら、本当に品質の良い昆布と鰹節があれば、特別な調理技術などなくても素晴らしいだしが誰でも用意できます。

この素晴らしい食品の品質は、いかにうまみ調味料の世界が進化しようと、決して到達できないところにあると思います。

ただ、そのような高品質な本物の食品は、時代と共に、どんどん入手できなくなっています。

 

昆布を例に考えます。

大阪の昆布の業界は江戸時代から続く仕事ですので、先人が多くいます。

過去の昆布を知る方々は、例外なく「昔の昆布の品質は良かった」とおっしゃいます。

これは、昔の記憶を美化して言っているのではなく、実際にそうであるようです。

理由は簡単です。

 

昆布は人間が生み出したものではありません。

それをつくってきたのは、豊かな自然に他なりませんが、それがどんどん破壊され変容しているわけです。

昆布の品質が下がってきたとしても、不思議はありません。

また、過去の投稿でお伝えしたように、例えば真昆布を見れば、昭和40年代に昆布養殖が実用化されるまでは全量が天然昆布だったわけです。

ところが、近年では養殖昆布がほとんどを占めます。

https://konbudoi4th.hatenablog.com/entry/2020/07/07/094116

どう考えても、過去と比較すれば品質は下がってきています。

 

つまり、うまみ調味料の品質は日進月歩で向上し、本物の昆布の品質は時と共に低下する。

差が縮まってくるわけです。

このような状況で、うまみ調味料に侵食される伝統的なだしの業界がⅤ字回復することなど、考えられるでしょうか。

 

 私共としても、多くの方に良い食品を理解して使っていただくことが願いです。

ただ、前述のような理由により、それは簡単なことではありません。

不本意ではありますが、本物を理解する経済的にも余裕のある一部の方向けの仕事になってしまうのではないかと危惧しています。

 

しかしこれは健康にも関係している話なので、なんとかその裾野を広げ、できるだけ安価で便利な本物を提供する必要性を感じています。

過去にも書きましたが、「十倍出し」や「しっとりふりかけ」、「ミネラルいりこん」などは、自然素材のだし文化を守り、同時に健康にも寄与すると自負しているので、安くおいしいものを多くの方に買いやすい形で提供し続けたいです。

 

時代が大きく移り変わる中で、自分の仕事の社会的な役割を考える必要があります。

未来の世界において、社会に昆布屋としてどのように貢献できるか、その明確な答えが出せないのであれば私共の仕事も必要ないということでしょう。

 

こんぶ土居ウェブサイトのトップページには

『こんぶ土居では、伝統ある大阪の食文化を守り育て、本物を次代に伝えることが私どもの使命だと考えています。』

と書きました。

http://www.konbudoi.info/main/index.html

 

 

こんな理由もあって私共では、業界の衰退にも関係するうまみ調味料を一切使わないことを自らに課し、伝統的な原料のみを使って製品づくりをしているわけです。

 

一人でも多くの方が本物の価値を理解し、支持して下さることを願っています。