さて、8月にある投稿をしました。
下の内容です。
本日の内容は、この実験の途中経過を書き記すものです。
8月に書いた通り、ガニアシを母藻にすることができれば、画期的だと思います。
実験に協力して下さった漁師さんからは、たまに経過を伺っていたのですが、現段階までにガニアシから胞子が出てくる様子は無いようです。
ガニアシを何個か海中で保存していただいているわけですが、持つと崩れてしまう個体もあるようで、弱ってきているのかも知れませんね。
ですので、現段階では全く成功しているとは言えません。
むしろ、失敗の見込みが高いと言わざるを得ないかと。
しかし、何事もそう簡単に成功しないのは世の常。
あきらめてはいけません。
私は10月の20日から24日まで北海道の真昆布産地へ再び出張していたのですが、引き続き、このプランの実現可能性について聞き取り調査をしました。
中でも、非常に嬉しい情報を下さったのが函館市役所です。
水産に関する部署の課長さんに会いに函館市役所へ参上したのですが、「ガニアシからも胞子が出ると、誰かがだいぶ前に言っていたのを聞いたことがある」と仰るわけです。
なんと!耳寄りな情報。
私が書いた8月のブログも読んでいただいたのですが、当時の投稿でも書きました通り、実験には促成真昆布のガニアシを使っています。
この課長のご意見では、促成からも胞子は出るには出るが、天然昆布や二年養殖昆布に比べると「胞子が出にくい」のではないかとも仰っていました。
更に、翌日にお会いした、ある昆布漁師さんからも全く同じ内容を聞きました。
であれば、現在の実験に加えて、天然昆布と二年養殖昆布での実験を追加すべきかと思います。
もう今年の漁期は終わっていますから、2026年の実験になりますが。
【天然真昆布の実験方法】
こちらについては、現在の常態化した大凶作ですから、2026年も真昆布を生産する地域の多くでは、出漁日数が限られることでしょう。
ですから、漁協に実験の意図を説明して許可を得て、漁期の後に私が海に潜ってガニアシ付きの真昆布を採取したいと考えています。
そちらで実験です。
又は、海が時化た日に、抜けて海岸へ寄ってくる個体もありますので、それを利用する手もあります。
この実験は、あくまで知識を得るためのもの。
なにしろ、現在は天然真昆布自体が枯渇しているわけですから、そのガニアシを相当量海中に入れることなど、現実的ではありませんから。
【二年養殖真昆布での実験】
二年養殖の昆布とて、道南の真昆布産地では、本当に微々たる量しか栽培されていません。
ですから、こちらは来年7月の漁期に、二年養殖真昆布の栽培に成功した漁師さんに協力を願うことになります。
二年養殖真昆布を水揚げ後、昆布を切り取った後に残るガニアシを、養成綱ごと一本譲り受け、実験をしたいと考えています。

仮にこの実験がうまくいったなら、二年養殖真昆布の栽培を漁師さん方に奨励する理由にもなります。
なにしろ、近年の二年養殖真昆布の栽培は失敗続き。
漁師さんにしてみれば、手間も経費もかけて栽培しているのに、途中で枯れてしまうわけです。
そんなものから手を引きたくなるのは当たり前。
こんな背景で、今は二年養殖真昆布がほとんど栽培されず、促成昆布(一年養殖)ばかりになっている現状です。
二年養殖真昆布については、栽培中の失敗を防ぐある手立てを考えておりまして、そちらも合わせて実験することになります。
さて、どうなるのでしょうか。
うまくいくのかいかないのか、それは神のみぞ知る。
引き続きトライしたいと考えています。
新たに何か発見があれば、こちらのブログにて紹介させていただきます。
(了)