「昆布の色」と言われれば、どんな色合いをイメージされるでしょうか。
多くの方は、緑がかった黒っぽい色を頭に浮かべるのではないかと思います。
それは、特に間違いではないのですが、良い昆布の本来の色合いは「あめ色」です。
平たく言えば、茶色っぽいのです。
過去投稿で書きました通り、感覚的に黒い方が高級そうに見える傾向から、生産地に於いて、本来あめ色の昆布を、人為的に黒く仕上げようとしたり、そんな問題も存在しました。
本日の投稿も、以前の投稿と、お伝えしたい内容自体は同じなのですが、「あめ色は美味しさ」だと直感的に理解していただきやすい例を発見しました。
本年の7月の末に、一冊の書籍を発行しています。
タイトルは、「捨てないレシピ だしがらから考える食の未来」です。
だしがらを有効活用していただくことを主題に書いた本ですが、だしを取った後の昆布の保存についても触れています。
この本でお勧めしている方法は、だしがら昆布を干すことです。
このように、洗濯バサミのようなもので摘まんで吊るしておけば、二日も経てばカリカリに乾いているはずです。
こうなれば、保存が容易ですし、様々なメニューに活用できます。
ご注目いただきたいのは、このだしがら昆布の色です。
だしをとる前は、下の画像のような色だったのです。
これが、先ほどから書いております「飴色」です。
決して黒くないのが、お分かりいただけるかと思います。
それに対し、吊るして乾燥したダシガラは、同じ昆布だったと思えないぐらいに飴色が抜けて黒っぽくなっているのがご理解いただけるかと思います。
本日の投稿でご理解いただきたい内容は、本当にシンプルです。
「飴色は美味しい成分の色。黒すぎる昆布は本来でない」
これだけ、是非ご理解ください。