先日、海外のネット記事に面白いものを見つけました。
カリフォルニアでの、ラッコと海藻の関わりについての記事です。
内容の趣旨は、カリフォルニアで海藻が減少する問題に、ラッコが役に立つかも知れない、といったものです。
海藻が減少して磯焼け状態になることは、世界的に問題視されていますが、磯焼けの海では岩盤が露出し、そこにウニばかりが目立つものです。
ウニは海藻を食べますから、その個体数が増えすぎることは、海藻にダメージを与えるわけです。
しかし、もしその海域にラッコがたくさんいれば、ウニを食べてくれますので個体数が調整されることになります。
とても面白い内容の記事でしたので、改めて少し調べてみると、なんと過去には北海道にもたくさんラッコがいたようです。
そもそも「ラッコ」という言葉は、アイヌ語に由来するということですから驚きです。
しかし、現在は日本に野生のラッコはほとんどいません。
理由は単純で、過去に乱獲されているのです。
18世紀から毛皮目的で乱獲され、20世紀の初頭には、絶滅の危機に瀕しています。
つまり、100年ほど前には、既に日本からラッコはほぼ姿を消しているのです。
私たちがラッコと北海道を結び付けるイメージを持てなくても無理はありません。
以前から、天然昆布の資源枯渇に関して何度も投稿していますが、やはり過去から少しずつ生態系のバランスを崩してきているのがよくわかる事例です。
ラッコが昆布不作の直接的な原因だと言うつもりはありませんが、とにかく人間が無茶なことをした過去のツケがまわってきているということは、間違いないように思います。
非常に根深い原因が、本当にたくさんありますから、私がずっと取り組んでいる天然真昆布の再生も、簡単に結果が出るようなことではないようです。
水族館の人気者のラッコ。
昔は北海道でも昆布に戯れるかわいらしい姿をたくさん見れたんだなぁ、と思うと、そんな光景が戻ってくることを期待し、夢に描いてしまいます。
天然真昆布の資源枯渇は乱獲によって起きている訳ではありませんので、ラッコと同列に語ることはできませんが、長い間自然にダメージを与えて続けてきた人間の営みを反省し、改善する必要性を改めて感じます。