こんぶ土居店主のブログ

こんぶ土居店主によるブログです。お役に立てれば。

丸正酢醸造元

こんぶ土居製品で、お酢を使うものがあります。 例えば、とろろ昆布や、おやつ昆布などです。 こんぶ土居ウェブサイトには、使用する原材料についての考え方をまとめたページがあり、「酢」については、以下のように記しました。 【米酢】 酢は、酒のアルコ…

塀の向こうからのお便り

先日こんぶ土居へ、ある方から封書が届きました。 パンフレットのご請求です。 ここまでは珍しくないのですが、書いて下さっていた内容に興味深い部分がありました。 以下、その抜粋です。 『恐縮ながら私自身が今現在は刑事施設に入っている為にこんぶ土居…

たこりきの「だしチキンカレー」

こんぶ土居から歩いて数分のところに、「たこりき」というたこ焼き屋さんがあります。 https://www.takoriki.jp/ 素晴らしく美味しいたこ焼きを提供するお店です。 あのミシュランガイドにも、最新2020年版に、たこ焼き部門で唯一掲載されているお店です(5…

無濾過バンザイ!

先日、こんぶ土居製品を販売して下さっているお取引様販売店から、ご指摘を受けました。 私共の製品「本格十倍出し」に浮遊物があるとのことでした。 販売にご不便をおかけしたような状況ですので、申し訳のないところです。 実は、過去にも何度か同様の事が…

養殖昆布と熟成、晩夏に感じる喜び

こんぶ土居で初めて養殖昆布を仕入れたのは、確か十年と少し前のことだったでしょうか(神仏のお供えに使う昆布を除く)。 当時は、天然真昆布が十分にあった時代です。 それなのに養殖昆布を仕入れようと思ったのは、漁業の現場に触れたからです。 平成16年…

こんぶ土居と漁協との交流の歴史  2020年夏北海道出張レポートの末尾としての振り返り

こんぶ土居は、三代目の時代から昆布漁業の現場におられる方々との関りを初めています。 その数十年の信頼関係の構築が、現在の大きな問題を解決するための礎になるのは間違いありません。 出張レポートの最後として、これまでの漁師の皆さん方との30年以上…

前田高志研究員 2020年夏北海道出張レポート⑨

前回の投稿から少し時間が開いてしまいましたが、続きです。 昆布や海藻の研究に関係する機関は多々ありますが、現場に最も近い研究施設といえば水産試験場でしょう。 函館水産試験場には、昆布の専門の研究者がいます。 前田高志さんとおっしゃる研究員です…

真昆布再生財源獲得プラン 2020年夏北海道出張レポート⑧

天然真昆布を復活させるための取り組み。 何をするのにも、お金は必ず必要になります。 今回の出張等の経費はこんぶ土居が支払っているもので、どこから何の支援があるわけでもありませんが、大きく物事を動かすためには何らかの財源が必ず必要です。 環境問…

縄文の希望 2020年夏北海道出張レポート⑦

天然真昆布が不作だと申し上げると、「温暖化のせいですか?」とよく言われます。 他の要因も複合的に関係して現在の状況になっているのですが、もちろん温暖化も無関係ではありません。 単純に気温が高いかどうかではなく、海流にも変化が起きたり、北海道…

「珈夢」の小林元昭さん 2020年夏北海道出張レポート⑥

こんぶ土居では、「焙煎昆布麺 麺戀」という商品を販売しています。 私共が製造しているわけではないのですが、店頭で販売をしています。 この焙煎昆布麺をプロデュースされているのが、函館市臼尻町で喫茶店「珈夢」を営む小林元昭さんです。 昆布パウダー…

川端翼君の思い出 2020年夏北海道出張レポート⑤

前回と前々回の投稿で、こんぶ土居と磨光小学校、南茅部高校との交流について書きました。 交流した子供さん達の中には、嬉しいことに実際に昆布漁師になった人もいます。 その中でも、将来の南茅部のリーダーになってくれることを期待した人がいます。 タイ…

南茅部高校 2020年夏北海道出張レポート④

前回投稿しました、函館市立磨光小学校の児童との20年に亘る交流。 それには、続きがあります。 NHKが平成19年に、番組でこんぶ土居のことを大きく取り上げて下さいました。 毎年夏に浜へ行って漁師さんの手伝いをしている現場の姿など、非常に長い時間取材…

函館市立磨光小学校 2020年夏北海道出張レポート③

白口浜天然真昆布の産地である、北海道函館市の旧南茅部町には、地元の子供たちが通う小学校があります。 磨光小学校です。 こんぶ土居では、三代目の時代から生産者の方々との信頼関係の構築に努めてきました。 また同時に、次代を担う若者や子供たちにお伝…

原彰彦北海道大学名誉教授 2020年夏北海道出張レポート②

以前からお伝えしております天然真昆布の危機。 それを救う手立てを模索し、取り組んでおります。 今年の夏の北海道出張の主たる目的は、その道筋を探すためです。 多くの方が協力して下さっているので、それを記録するためにも、主に人物を軸として出張レポ…

2020年夏、北海道出張レポート①

この漁船は、2020年6月27日投稿の「平成16年夏、昆布漁のお手伝い」で書いた、故・吉村捨良さんが使っていた昆布採りのための漁船です。https://konbudoi4th.hatenablog.com/entry/2020/06/27/092818 今は誰も使う人がいません。 この斜路を降りて漁に出まし…

うまみ調味料の功罪と、昆布屋としての展望

家庭で手作りの食事を用意する人が、残念ながらどんどん減ってきているようです。 私共は昆布屋ですので、その価値を理解し使って下さる方が増えることを、当然望んでいます。 知っていただく機会として開催してきた「たぶん日本一のだしの取り方教室」は、…

「うまみ」という言葉

「うまみ」という言葉は、「UMAMI」として、国際語の地位を確立しつつあると言われます。 それが素晴らしいものであるかのように、もてはやされることも多いと思います。 ただ、こんぶ土居では「うまみ」という言葉を、できるだけ使わないようにしています。…

天然真昆布の危機

前回の投稿で書きました、「献上昆布」の別名もある北海道の旧南茅部地区で産出する天然真昆布。 この日本を代表する高品質な昆布が、大変な危機に瀕しています。 平成26年が最後の豊作で、以後不作が続き、その程度は年々ひどくなっています。 この件につい…

登録商標「御上り昆布」

こんぶ土居では、「御上り昆布(おあがりこんぶ)」という塩昆布(昆布の佃煮)を製造しています。 北海道の旧南茅部で産出する白口浜天然真昆布を厳選した調味料で炊き上げた製品です。 この名称は、古く江戸時代の史実から取っています。 そのストーリーを…

糖質制限食と人工甘味料

数年前から糖質制限食が流行っていますが、ストイックなものは是非やめた方が良いと思います。 知人のご家族にも一切炭水化物を採らない人がいて、心配になります。 まず、炭水化物を取らない食生活は、どう考えても不自然です。 炭水化物をほとんど摂取せず…

栄養成分と味覚

人間は、食べ物に美味しさを感じます。 美味しいと感じること、その感覚の役割は食べることの動機付けだと思います。 食べることは、生きる上での最も大切な行為ですから、それに対して強い欲求がないのであれば、生存そのものの危機です。 つまり基本的には…

十倍出しレシピ動画

こんぶ土居の看板商品のひとつ「十倍出し」。 使い方を教えて下さいと、言われることがあります。 文字通り、原液1:水9の割合で薄め、みそ汁や煮物など、様々な料理にお使いいただけます。 レシピ集があれば喜んでいただけるかと思い、少しだけYouTube上で…

昆布の表面の白い粉

お客様から、よく質問をお受けします。 「昆布の表面の白い粉は、拭かなくて良いんでしょうか」と。 結論から申しますと、拭かなくて問題ありません。 よく言われるところですが、白い粉は昆布のおいしさの成分の一つが浮き出たものだからです。 塩のように…

昆布の熟成について

「梅雨が明ける」。 これは昆布屋にとって、大きな意味を持っています。 昔から大阪では、どこの昆布屋でも「昆布は梅雨を越えてから」と言ったようです。 これは、昆布の熟成による味の向上についての話です。 漁期である7月~8月に北海道で水揚げされた昆…

平成16年夏、昆布漁のお手伝い

昆布の漁期は真夏です。 私が初めて昆布産地を訪問したのは平成16年で、漁師の方と一緒に昆布漁の船に乗り、泊まり込みでお手伝いをさせていただきました。 当時、そのことについて書いた文章がありますので、転載致します。 こ ん ぶ 土 居 通 信 №12 平…

日本の出し(だしパック)について

前回の投稿では、一般的なだしパック製品について書きました。 本日は、こんぶ土居の製品のだしパック「日本の出し」につきまして。 販売開始時(2012年)に、開発の経緯を書いた文章がありますので、以下に転載致します。 「日本の出し」は、古来より最高品…

だしパックもいろいろ

だしパックの製品が人気のようです。 ここ数年、本当にたくさんのメーカーが作るようになりました。 ご存じのように「だしパック」とは、昆布や鰹節、煮干しや干椎茸等のだし素材を紙や不織布に詰めたものですね。 計量や濾す手間がないので便利です。 昔は…

ミネラルいりこんの役割

「ミネラルいりこん」開発の経緯 ●だしに溶け出す栄養素こんぶ土居の製品「十倍出し」は、製造開始から30年以上が経過し、様々な改良を加えつつ今日まで製造を続けてきました。高級な原材料を使用した「本格十倍出し」と、原材料の品質を少し下げた廉価版「…

「しっとりふりかけ」自画自賛

前回に引き続き、「だしがらは素晴らしい」がテーマです。 こんぶ土居に「本格十倍出し」という製品があります。 昆布と鰹節の濃縮液体だしです。 この製品を作る際、当然だしがらが出るわけです。 そのだしがらを利用して製造しているのが「しっとりふりか…

「だしがら」こそ栄養豊富

ご家庭でだしを取って、残るダシガラの処理にお困りのことはないでしょうか。 捨ててしまう場合もあるかと思いますが、できれば食べていただきたいです。 それは、「もったいないから」だけでなく、「だしがらこそ栄養豊富」だからです。 例えば、昆布と鰹節…