こんぶ土居店主のブログ

こんぶ土居店主によるブログです。お役に立てれば。

昆布の粉末のはなし(前編)自社製品自慢

こんぶ土居の製品に「昆布粉」があります。 これは、類似品が他社にたくさん存在しますので、言ってみれば「ありふれたタイプの製品」です。 かなり前になりますが、漫画「美味しんぼ」にも取り上げられました。 その際に、原作者の雁屋哲先生が書いて下さっ…

【大豆 vol.3/3】「 だし」とプラントベースの関り

さて、前回の続きです。 大豆の話を書いていて、それが「だし」と何の関係があるのだと感じる方もあるかと思いますが、意外に関連性があるようです。 例えば、「だし」や「スープ」のようなものを用意する際、日本では伝統的に昆布や鰹節、煮干しなどが利用…

【大豆 vol.2/3】 大豆ミートと、肉食忌避への危惧

様々な理由によって「肉を食べたくない」人がいます。 その先に、「肉でない肉のようなもの、を食べたい」という、変わった欲求が出ることがあります。 そんな要望に応える「大豆ミート」の需要が高まっています。 味や食感も進化し、肉とそっくりというわけ…

【大豆 vol.1/3】 未来を支える奇跡の豆

こんぶ土居製品で、原料に大豆を使用するものがあります。 「ミネラルいりこん」「ミネラルいりこんスパイシー」「昆布豆」の三種です。 後者2製品は2020年から販売を開始した製品ですので、最近こんぶ土居では大豆を多く使用していることになります。 お陰…

『うまみの相乗効果』に食傷気味

私は職業柄、だしの話に多く触れるものです。 だしに関する本が出版されたりすると、買って読んでみることもあります。 しかし残念ながら。たいていはがっかりして本を閉じることになるのです。 理由は様々ですが、この手の本に必ずと言って良いほど取り上げ…

MILANO EXPO 2015 回顧録

前回の投稿で、2025年の大阪・関西万博に向けた話を書きました。 万博と言えば6年前、2015年の開催地はイタリアのミラノでしたが、大阪市から依頼を受け私が現地で昆布のお話をさせていただきました。 少し個人的な内容も含みますが、当時の思い出話を書き…

「2025大阪・関西万博」で、昆布のことを

2025年に、大阪で万博が開催されます。 地元大阪のパビリオンも出展されるわけですが、展示内容のアイデアを公募していたので応募してみました。 もちろん昆布について。 万博の展示に、食文化は当然含まれてくるはずです。 紋切型の「たこ焼き」「お好み焼…

海底湧水と水産資源の関り

度々テーマにしております天然真昆布の不作。 不作の理由は、ひとつではなく、様々な要因が複合的に作用しています。 簡単に言ってしまえば「環境問題」であるわけですが、その環境問題を構成する要素は、多岐に渡ります。 温暖化のようなグローバルな要因は…

併用もアリ、鰹節と煮干しのだし

「合わせだし」という言葉があります。 単一の素材ではなく、傾向の違う素材を併用して取っただしのことですが、それが良い効果を生むことに、日本人は古くから気づいていました。 しかし、これは世界的に見れば、特殊なことかも知れません。 私は若い頃に、…

良い昆布の色

前回のブログ投稿で、海苔のことを書きました。 「2021年1月8日投稿『海苔の酸処理について』」。 その中で、海苔の酸処理について、こんな一文を書いています。 『また、見かけは黒々と美しい海苔ができますが、本来の味と香りは損なわれがちです。』 やは…

海苔の酸処理について

私共は昆布屋ですが、昆布以外での人気商品もあります。 そのひとつが「無酸処理焼海苔」です。 伊勢湾で酸処理をせずに育てられた海苔の一番摘みです。 非常に香り高く豊かなうまみを感じる良い海苔だと自負しています。 海苔の養殖現場を見たことがある方…

年始に、2021

明けましておめでとうございます。 本年も、良い食品づくりに努めて参ります。 宜しくお願い申し上げます。 こんぶ土居では、毎年メッセージを込めた年賀状を書いています。 このブログにも載せておきたいと思います。 (住所をお伺いしていない方には届いて…

やはり天然の魚を大切にしたい

先日、調理法について、ひとつの検証する必要があり、鶏肉を焼いてみました。 近所のスーパーで普通の鶏肉を買ってきて、軽く塩コショウだけして焼いたのですが、鶏肉がおいしくありませんでした。 どうまずいのか表現しづらいですが、とにかく良くなかった…

名に恥じぬ「PFCミネラルいりこん」

このブログでも度々触れている、私共の製品「ミネラルいりこん」と、今年から新たに販売を開始した「ミネラルいりこんスパイシー」。 現代人が不足しがちな栄養素を手軽に補給していただくための、大豆と煮干しと昆布を主原料とした健康スナックです。 特に…

ウニと昆布の困った関係

報道されることも多くはないので、あまり気づかれないかも知れませんが、日本を取り巻く海の状態は、大きく変化してきています。 磯焼けのような現象は、北海道から沖縄まで、非常に広範囲に進んでいます。 天然真昆布の危機的な状況については以前から書い…

経験からの、うまみ調味料の問題点

こんぶ土居の製品「十倍出し」。 「使い方を教えてほしい」と仰るお客様が多いので、YouTube上でレシピ動画を公開しています。 www.youtube.com 寒い季節になりましたので、鍋料理も良いかと思い、12月7日に「ごま豆乳鍋」のレシピ動画を公開しました。 この…

日本人がミネラル不足になる理由

以前の投稿で、こんぶ土居製品「ミネラルいりこん」開発の経緯を書きました。 2020-06-23投稿「ミネラルいりこんの役割」 https://konbudoi4th.hatenablog.com/entry/2020/06/23/091125 商品コンセプトは単純。 カルシウムやマグネシウムなどのミネラル不足…

映画『タネは誰のもの』の感想

つい先日12月2日の参院本会議で、品種改良によって生まれた農作物の種や苗木の海外への流出を防ぐ仕組みを強化した、「改正種苗法」が可決されました。 近年では、海外へ日本の独自品種が無許可で流出する事例が多いようで、その防止策として「育成者権」を…

質より量

健康を考えたとき、食べ物に気を付けるとして、ポイントは主に下記の三つでしょうか。 ①必要な栄養を十分に摂取する ②必要な栄養素であっても過剰にならないようにする ③農薬や食品添加物などの不要な化学物質の摂取をできるだけ少なくする まず、①と②につい…

ヨウ素と海藻食

昆布は、健康的な食品だとのイメージを持って下さっている方が多いようです。 そのイメージは間違ってはいないと思います。逸話にも事欠きません。 例えば、沖縄はかつては長寿県として知られましたが、戦後のアメリカ占領時代から食の西洋化がいち早く進ん…

美食に代わる言葉を探す

今日は、私達を取り巻く食を「ハレ」と「ケ」に分けて考えてみたいと思います。 儀礼や祭、年中行事などの「非日常」をハレ、普段の生活である「日常」をケと呼びます。 両方大切ですね。 それでも「ケ」がおろそかになって「ハレ」ばっかりが派手、というの…

パンと日用品の店「わざわざ」、訪問時の感想

前回投稿しましたヴィナイオータさん訪問。 大阪を出発して、一連の行程でもう一軒訪問した先がありました。 それが、長野県にある「わざわざ」さんです。 パンと日用品の店 わざわざ 社名「わざわざ」の通り、通りすがりで寄るような場所でなく山道を車で登…

燃えるワインインポーター『ヴィナイオータ』

今日は、ワインのお話です。 ワインの世界に「ナチュラルワイン」と呼ばれるタイプのものがあります。 「ビオワイン」「自然派ワイン」「ヴァンナチュール」など様々に呼ばれますが、どれも似た意味合いのようです。 特徴としては ①農薬を使用しない ②培養酵…

「ミネラルいりこんスパイシー」満を持して登場

本日の投稿をお読みいただく前に、過去の投稿で先に読んでいただきたいものが二つあります。 2020年6月23日投稿の「ミネラルいりこんの役割」と10月2日投稿「シタール奏者、石濱匡雄」です。 〇ミネラルいりこんの役割 https://konbudoi4th.hatenablog.com/e…

ネットショップ始めます

これまで対応が遅れていましたが、2020年10月26日からネットショップを始めます。 かなり以前からご要望が多かったのに対応していなかったのには、それなりの理由もあったのですが、もう少し早くやるべきだったかも知れません。 ショッピングサイトを作って…

石けんを売る昆布屋

例えばスーパーへ行くと、洗剤の類がたくさん売られています。 人間の体に使うものなら、シャンプー、リンス、ボディソープ、ハンドソープ、洗顔料、歯磨き粉など。 洗剤ではありませんが、化粧品や保湿クリームなども使われますね。 台所では、食器洗い洗剤…

環境回復モデル地区、襟裳岬

近年の昆布の不作については、以前から書かせていただいている通りです。 今では多くの方が知るところとなりましたが、海の環境と、その背後の山の環境には大きな関係性があります。 北海道の昆布漁師さん達も、そのことは当たり前に知っておられます。 ただ…

シタール奏者、石濱匡雄

個人的なことですが、インド料理を習っています。 元から習いたいと思っていたわけではないのですが、偶然良い先生とお知り合いになったのがきっかけです。 数年前、ある方(※1)からお誘いをいただき、大阪で多方面で活躍する方々と一緒に食事をする機会が…

買い付け、ではない

こんぶ土居では、三代目の時代から北海道の昆布産地を度々訪れてきました。 北海道出張の予定をお話すると、「買い付けですか?」と仰る方が多々おられます。 そうお考えになるのも、無理のないことです。 「昆布屋が昆布産地へ出向く」、やはり買い付けのイ…

龍光院と小堀南嶺師

暑い季節もようやく終わり、過ごしやすい季節になりました。 こんぶ土居店内には、軸を掛けている場所があります。 現在は、柿の画賛です。 これを書いて下さったのは、大徳寺の塔頭「龍光院」の先代、小堀南嶺師でした。 龍光院は、国宝や重要文化財の建物…